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2019年03月13日
コラム/最適物流の科学⑧
最適物流の科学
弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は3億6106万平方km。
海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。
そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を
毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。
第八回となる今回は、貨物の運搬効率を上げたコンテナ化のメリットのお話しをいたします。
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【貨物の運搬効率を上げたコンテナ化のメリット】
コンテナ船が海上輸送の主役へと一気に上り詰めた理由には、これまでにはないメリットが数多く得られたという背景があります。
まず、貨物を一度に大量に運べるようになったことが挙げられます。コンテナは国際的に規格化されています。非常に頑丈な構造で、貨物の形や大きさが均質でなくても、規格が統一化されたコンテナに収めれば整然と並べられ、縦に積み上げることもできます。もしコンテナのサイズが異なっていたらこうした積み方はできません。
この規格を統一したのはアメリカの運輸省海事管理局(MARAD)です。一九五八年から規格化に取り組み、1961年に10・20・30・40フィートのコンテナを規格とすることを決定しました(1フィートは約0.3m)。その後、ISOに設けられた第104技術委員会というコンテナに関する専門委員会によって、世界的な規模での標準化が進められていきました。
ヨーロッパや日本などでも、サイズや最大総重量、各部の名称、試験方法、表示方法などコンテナの詳細についての規格が制定され、現在のISO規格に至っています。なお、コンテナの種類や規格については後の章で取り上げます。
次にメリットとして挙げられるのが、梱包を簡素化できるようになったことです。
貨物を堅牢なコンテナに収納することで、梱包資材の削減や作業手間の軽減が図れるようになったのです。同時に、貨物の損傷や盗難の危険性も大幅に減少します。これは貨物の保険料低減にも繫がりました。
また、コンテナ内には雨が入らないので、天候にかかわらず積み降ろしができるようになったことも大きな利点です。
コンテナ化によって荷役時間も大幅に減少しました。貨物のサイズが異なるとそれぞれ違った取扱いが必要となりますが、コンテナの登場でこの手間が大幅に解消されたのです。それまでは、船に設置されたデリック(クレーンに似た機械)などの機器を使って貨物を積み降ろしていました。
コンテナ化されて以降は、ガントリークレーンという大型クレーンを使い、効率良く荷役を行なうことができるようになりました。ただ、コンテナの積み降ろしは従来の港湾設備ではできません。港がガントリークレーンなど専用の荷役設備を備えている必要があります。さらに、大型コンテナ船が寄港するには港に一定以上の水深が必要です。そうした条件が整っていなければ港を利用することができないのです。
先ほど触れたように、かつてのマルコム・マクリーンによるコンテナ輸送の考案が発端となり、海上と陸上の一貫輸送を可能にした歴史も忘れてはなりません。船とトラック、貨物列車、さらには航空機を含めた国際複合一貫輸送は、コンテナの登場で飛躍的に発達し、今日の物流では欠かせないサービスとなっています。これはいわばスマートホンの誕生と同じぐらいの革命でありインパクトといえるのです。
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つづく。
次回は、貨物はどんなルートで目的地へ届くのかついてお話しいたします。
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最適物流の科学――舞台は3億6106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」
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投稿者
ジャパントラスト株式会社