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2019年04月10日
コラム/最適物流の科学⑫
最適物流の科学
弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は3億6106万平方km。
海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。
そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を
毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。
第十二回となる今回は、「戦略的物流が3PL」ついてお話しいたします。
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「戦略的物流が3PL」
物流業界におけるアウトソーシングとして、今注目されているのが3PLです。これは「サード・パーティ・ロジスティクス(Third Party Logistics)」のことで、アメリカで始まったビジネスモデルです。
日本でも導入が進んでいる3PLですが、統一的な定義が確立しているわけではありません。国土交通省の「総合物流施策大綱」(1997年4月閣議決定)によると、3PLを「荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託する業務」と定義しています。
つまり荷主(ファースト・パーティ:First Party)でもなく、実際に物を運ぶ物流業者(セカンド・パーティ:Second Party)でもない第三者が荷主から物流業務全般を請け負う場合を指します。
3PLの〝L〟は「ロジスティクス」ですが、この用語を厳密に説明すると「物流」が同義ではありません。元は「兵站(へいたん)」という軍事用語で、戦地で必要とされる物資を的確なタイミングで効率よく補給する役割を意味します。単に物資を運ぶのではなく、そこに戦略的な要素が加わった動きを指すのです。つまり3PLでは、外部の業者が物の輸送だけでなく、在庫管理、さらには原材料の調達や製品の販売までの流れ全体を一括で引き受けることになります。
特にアメリカにおいて、3PLの先駆的役割を果たしてきたのがフォワーダーです。1970年代から1980年代にかけて進んだ規制緩和の流れの中で、それまで荷主が行なっていた業務(運送業者との交渉、運賃の支払い、倉庫の手配など)をフォワーダーが担うようになり、ここから3PLは発展を遂げていきました。国際物流でドア・ツー・ドアを確実に遂行するにあたって、戦略的に物流を考える視点は不可欠です。今後、海外工場間における貨物輸送(三国間輸送)がさらに増加すると予想される中、フォワーダーが3PLを行なうケースもより多くなっていくでしょう。
ところで3PLを担う主体は、本来の意味においてはフォワーダーなどのサード・パーティです。しかし実際は、セカンド・パーティーである業者も、このビジネスに積極的に参入しています。
これらを区別するために、輸送手段や物流施設を持たないフォワーダーなどを「ノンアセット(Non-Asset)型」、それに対してハードを持つ運送会社などを「アセット(Asset)型」と呼び、今日この2者が3PLの主体と位置づけられています。
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つづく。
次回は、荷物の旅路を手配する「貨物の旅行代理店」ついてお話しいたします。
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最適物流の科学――舞台は3億6106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」
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投稿者
ジャパントラスト株式会社