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2019年10月16日
コラム/最適物流の科学㉘
最適物流の科学
弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は3億6106万平方km。
海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。
そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を
毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。
第二十八回となる今回は、「見極めポイント① 海外拠点(現地法人・海外代理店の保有)は豊富か」というテーマでお話しいたします。
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「増加する日本企業の海外拠点」
国際物流業者を選ぶ基準の一つ目に挙げられるのが、現地法人・海外代理店を持っているかどうかという点です。拠点を置く国・地域の多さはもちろん、その形態も重要なポイントとなります。
海外へ貨物を輸送する際、受ける側の国で対応してくれる事業者がいなければなりません。ドア・ツー・ドアの国際複合一貫輸送が当たり前になっている今日、物流業者の海外拠点の役割は非常に重要になっているといえるでしょう。中でも、三国間輸送の場合は、先に見た通り輸出国と輸入国の両方で物流拠点が必要となるため、特に重要なポイントとなります。
日本の国際物流業者の海外進出は近年活発化しています。コンテナ船が普及する前の一九六〇年代前半の段階では、日本の物流企業の海外拠点はごくわずかでした。しかしコンテナ化の進展に伴い、海外拠点は徐々に数を増やしていきます。現地法人の数は、一九八〇年代に一〇〇カ所を超えるとその後、急速に数を増やし、二〇一三年には一〇〇〇カ所に達するまでになりました。駐在員事務所も同様に、急速な増加傾向を見せています。
地域別で見ると、アジアが圧倒的な割合を占めています。特に中国は二〇一四年時点で進出企業数が一四七社で、現地法人数は三八五カ所となっています。また、これまではアジアと北米、欧州が中心でしたが、近年は中南米、大洋州、中近東、さらにはアフリカにまで拠点が広がりを見せていることも注目しておきたいところです(一般社団法人国際フレイトフォワーダーズ協会『我が国フォワーダーの海外進出状況と外国フォワーダーの日本進出状況』参照)。
物流企業が海外に進出するにあたっては、多くの場合、完全子会社もしくは合弁会社の形で現地法人が設立されます。また、駐在員事務所を置いて対応する場合もあります。この三つの形態のうち、完全子会社だけ、あるいは完全子会社に合弁会社や駐在員事務所を組み合わせた形で海外拠点とするケースが多くの割合を占めています。
完全子会社であれば進出企業側の意向に基づいてコントロールしやすいというメリットがあります。一方、合弁会社であれば、現地の事情に応じたノウハウを活用することができるというメリットがあります。同時に、その逆が完全子会社、合弁会社それぞれのデメリットということになります。各々に長所と短所があるため、海外拠点として完全子会社と合弁会社のいずれが良いかは一概にはいえません。また、駐在員事務所であればコストを抑えることはできますが、情報収集などの業務に限られるため、活動の幅を広げることができません。
拠点の形態や内実はさまざまですが、海外拠点の有無は、事業者を選ぶ上で重要なポイントになることは確かです。
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つづく。
次回は、「見極めポイント① 海外拠点(現地法人・海外代理店の保有)は豊富か」というテーマでお話しいたします。
ご興味を持っていただけた方、続きを一気にご覧になられたい方は、ぜひアマゾンでお求めください♪
最適物流の科学――舞台は3億6106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」
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投稿者
ジャパントラスト株式会社