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2019年10月23日
コラム/最適物流の科学㉙
最適物流の科学
弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は3億6106万平方km。
海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。
そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を
毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。
第二十九回となる今回は、「見極めポイント① 海外拠点(現地法人・海外代理店の保有)は豊富か」というテーマでお話しいたします。
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「海外代理店への業務委託を成功させるためには」
海外に現地法人や合弁会社を設け、そこに日本人スタッフを多く配置し、自社で所有する輸送手段を用いて貨物を運搬するようにしたら、国内と同じようなサービスを海外でも展開できます。ただ世界各地でそうした体制を整えるのは容易ではありません。拠点整備のために莫大な投資が必要となります。整備した後は維持費、人件費、運営コストもかかります。また現地で特定ルートから入ってくる貨物だけを扱う状態が続くと、競争意識の喪失へと至る恐れもあります。他社の動向を意識しなければ井の中の蛙になり、結果として、高止まりしたコストが運賃に上乗せされます。これでは荷主にとっては逆にデメリットになってしまいます。
コストだけを考えれば、現地法人や合弁会社を設立することはあまり得策とはいえません。現地の代理店(Agent)に任せた方が、大幅にコストは下げられるでしょう。しかし先の事例で見た通り、海外の現地スタッフが日本側の意向に沿って動いてくれるとは限りません。貨物のコントロール、トラブルが起きた場合の対応にも不安が残ります。
現地の代理店の利用にもさまざまな課題がありますが、そうしたデメリットを極力減らしながら活用する方法もあります。その一つが、複数の代理店の間で競争原理を働かせる方法です。大手の代理店一社にすべてを任せるのではなく、あえて複数の中小代理店に委託する体制を採用するのです。常に複数社の中で競わせる形を取り、自前で現地法人を設けるよりより良いコストやサービスを引き出します。
トラブル時の対応については、その代理店が日本企業に近いマインドを持っているかどうかがポイントとなります。弊社では各国で、何十社と使ってみて、日本人的マインドを持った優良代理店のみをトーナメント方式で残し、さらに日々競争させてます。
たとえ海外に代理店しかない場合でも、その運用いかんによっては、現地法人や合弁会社を持つ企業よりも安く円滑に貨物を送ることができるという点も押さえておきたいところです。
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つづく。
次回は、「見極めポイント② 船会社との幅広いネットワーク力が生きる」というテーマでお話しいたします。
ご興味を持っていただけた方、続きを一気にご覧になられたい方は、ぜひアマゾンでお求めください♪
最適物流の科学――舞台は3億6106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」
https://www.amazon.co.jp/dp/4478084297/
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投稿者
ジャパントラスト株式会社