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2019年12月11日

コラム/最適物流の科学㊱

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第三十六回となる今回は、「海運会社の実力がわかる三つのポイント~イレギュラーな事態にはどう対応するか~」というテーマで「オーバーゲージ貨物は扱いが難しい」をお話しいたします。

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オーバーゲージ貨物は扱いが難しい

 

コンテナ船にコンテナを搭載するときは、船倉内かデッキ(甲板)上、いずれかに積み付けられます。

船倉はデッキの下にあるスペースで、船の外からは見えません。ここに搭載されたものは、風雨や高波の影響を受けることはありません。一方、デッキ上では風雨や高波、あるいは太陽熱の影響を受ける可能性があります。

オーバーゲージ貨物は、上面がはみ出すオーバーハイ(Over high)、側面がはみ出すオーバーワイド(Over wide)、上面と側面がはみ出すフルボイド(Full void)の三種類に分けられます。

これらの貨物には、オープン・トップ・コンテナ、フラット・ラック・コンテナなどが使われますが、コンテナの天井や壁が部分的にない構造であるため、デッキ上に搭載した場合、貨物が風雨や高波の影響を受けます。したがって、オーバーゲージ貨物は船倉内に積み付けねばなりません。

船倉内にはセルガイドと呼ばれるレールが設置されており、コンテナの四隅をこれに沿わせることによって、規則正しく、かつ安定した状態で積み上げられます。ここにオーバーゲージ貨物が加わると、この形を保つことができなくなってしまいます。オーバーハイの場合は、上にコンテナ一つ分のスペースが必要になります。オーバーワイドの状態であれば、コンテナの両側を含めた計三つ分のスペースを使います。フルボイドであれば、コンテナの上と左右、さらに左右の上のスペースも占めるため、計六つ分のスペースを使います。当然、これらの上にコンテナを積み上げることはできません。

船倉内で、かつ上にコンテナを積まなくてもよい場所は、スペースの最上部ということになります。このアンダーデッキのトップストレージがオーバーゲージの指定席になるのです。

 

Overgauge cargo is difficult to handle

 

In loading a container on a container ship, it is loaded either in the hold or on the deck (deck). The hold is a space under the deck and can not be seen from outside the ship. Those mounted here are not affected by weather and high waves. On the other hand, it may be affected by wind and rain, high waves, or solar heat on the deck.

 

The over-gauge cargo is divided into three types: Over high which the upper surface protrudes (Over high), Over wide where the side protrudes (Over wide), and Full voids protruding from the top and sides (Full void).

 

Though these cargoes are contained in the open top container and flat rack container, etc, the cargoes may be affected by wind and rain and high waves if it is mounted on a deck because the structure of the container does not have a ceiling or wall partially. Therefore, the over-gauge cargo must be loaded in the hold. A rail called a cell guide is installed in the hold, and by laying the four corners of the container along this, it is stacked in a regular and stable state. When the over-gauge cargo is added here, it will be impossible to keep this shape. In case of over high, space of one container is required above.

In case of Overwide, we use a total of three spaces, including both sides of the container. In case of Full void, it occupies space above and to the left and right of the container, and also on the left and right, so we use a total of six spaces. Naturally, you can not stack containers on these. The place in the hold and where you do not have to stack containers on top is the top of the space. The top storage of this under deck becomes the designated seat of the over-gauge.

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つづく。

次回は、「国際物流会社の総合力が試される」というテーマでお話しいたします。

 

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最適物流の科学――舞台は36106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


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