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2019年12月18日

コラム/最適物流の科学㊲

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第三十七回となる今回は、「海運会社の実力がわかる三つのポイント~イレギュラーな事態にはどう対応するか~」というテーマで「国際物流会社の総合力が試される」をお話しいたします。

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国際物流会社の総合力が試される

 

アンダーデッキのトップストレージは、船の中でもごく限られたスペースです。そのため、この場所を確保するのは容易ではありません。船会社も、オーバーゲージのためにこのスペースを積極的に確保しようとはしません。なぜなら、通常のコンテナを積んだ場合に比べて利益が少なく、リスクもあるからです。

たとえば、フルボイドのオーバーゲージ貨物があった場合、先に述べた通り六つ分のスペースを確保する必要があります。しかし、運賃は基本的にコンテナの数で決まります。オーバーゲージの場合は、コンテナ一つであっても当然通常より高い運賃になりますが、六倍にまではなりません。

船会社からすれば、オーバーゲージ一つよりも、コンテナを六つ積んだ方が、基本的には利益が多くなります。

さらに、オーバーゲージ貨物の中には、特殊な工作機械など製造スケジュールが変わりやすい品物もあります。

そのため、直前に船積みがキャンセルになることも少なくありません。その場合、キャンセル料を取ることはできますが、実際にコンテナを積んだ際に得られる収入に比べれば、その額はわずかです。

こうした厳しい条件の中でスペースを確保する場面においては、事業者の力量が問われます。オーバーゲージ貨物を扱うにあたって、多くの船会社とのネットワーク、信頼関係は必須です。

そのための営業力はもちろん、オーバーゲージ貨物を扱う知識や経験も欠かせません。オーバーゲージ貨物の取扱いは、まさにその国際物流業者の総合力が試される場面といっても過言ではないでしょう。

 

The international logistics company’s overall ability is tested

 

The top storage of the under deck is a very limited space in the ship. Therefore, it is not easy to secure this place. The shipping company will not actively secure this space due to the over-gauge issue. This is because there are fewer profits and more risks compared to the case where normal containers are loaded.

 

For example, if there is a full void over-gauging cargo, it is necessary to secure six spaces as mentioned above. However, the fare is basically determined by the number of containers. In case of over-gauge, even one container will naturally have a higher fare than usual, but it will not be six times larger.

 

For a shipping company it will be more profitable to have six containers than one over-gauge. In addition, some over-gauge cargoes are subject to change in manufacturing schedules, as seen in the case of special machine tools. Therefore, shipping is often canceled at the last minute. In that case, you can take a cancellation fee, but the amount is small compared to the income obtained when actually loading containers. Under such harsh conditions, the competence of business operators is questioned in terms of securing space. When handling over-gauge cargoes, network and trust with many other shipping companies are essential.

 

To handle an over-gauge cargo, sales strengths, knowledge and experience are indispensable. It is no exaggeration to say that the handling of over-gauge cargoes is the realm where the comprehensive strength of an international logistics companies is tested.

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つづく。

次回は、「情報収集力・発信力」というテーマでお話しいたします。

 

ご興味を持っていただけた方、続きを一気にご覧になられたい方は、ぜひアマゾンでお求めください♪

最適物流の科学――舞台は36106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


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