HOME > ジャパトラブログ&ニュース
2020年06月17日
ハリー・ヨシダ氏 YouTube動画紹介 ⑦船荷証券(B/L)【後半】白地裏書 Endorsement、サレンダーB/L
弊社の社員教育でも活用しているハリー・ヨシダ氏の貿易実務講座YouTube動画を、
本ブログで毎週1講座ご紹介させていただきます。
皆様もぜひお役立てください。
↓
↓
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次はですね、 B/L の裏書方式、さっきありましたね。
貨物の引き取りの権利を譲渡するため、
その B/L を所持する人が引き取れるようにする裏書の三つのケースというものがあります。
まず記名式というのはStraight B/L。
荷受人欄に特定人名が明記された B/L を言います。
B/L にお受取人の名前を書く欄があるんですけど、荷物を受け取る人のことを言います。
ここに〇〇さんへと書けばいいんです。
そしたらこの荷物はその人が受け取ります。
それをStraight B/L。ストレートに商品が行くからですね。
そうではなくここに “to order of shipper”と書かれている場合は、
これは約束事でございまして、輸出者は銀行に持って行きます。
銀行がこれを手にすることで、貨物の請求権を手にしますので、
何かあったらこの化物を売り飛ばせるんですね。ということで銀行の担保になります。
だから銀行はこの紙に基づいてお金を払ってくれるとこういうことになります。
ここにもし輸入者の名前が書いてあると、
銀行は何の担保にもなりませんからお金を払ってくれません。
ということでここには必ず“to order of shipper”と書かれています。
次は、銀行がする『輸入者の指図式裏書』
これはいったい何なのか 。
銀行は、輸入者がその手形代金を払った後に当該 B/L を引き渡す。
これはどういうことなのかと言うと、私が輸入者側の銀行である場合、
輸入者から届いた B/L を持っているわけですけど、
『これ欲しいんでしょ。お金払いなさい』
と言うとお金を払ってくれます。
輸入者がお金を払ってくれたので、この書類を渡す。
この時に銀行はここにサインをするんですね。
どういう風に書くかと言うと、 こう書きます。
“Deliver to the order of (輸入者)”
ということでサインしてお渡しをします。
これで完了ですね。
そして輸入者は受け取ったということで船会社に持っていけば貨物を引き取ることができる。
ということで裏書はこういう風になっています。
詳しく言いますと、本来はお金をもらってから銀行が渡すんですけど、そうではなくて、
よくあるのが打ち合わせをして、
『今はお金がないんですけど後で払いますから』
例えばダイヤモンドは1億円なので、今1億円ないんです。
ダイヤモンドが売れたら1億2000万入るので、その中から1億円払います。
そういったことを輸入者とか輸入者の銀行が約束した場合に
“Deliver to the order of (輸入者)”と銀行がサインする。
こういうケースという意味です。
お金が後から入ってくる場合こういうことがありますという話ですね。
理由は輸入者以外の者がこの B/L を勝手に利用することができないようにするためです。
B/L をなくしちゃった場合、輸入者に渡すつもりが輸入者に渡さなかった場合、
どこかに落とした時に、拾った人が所有することがないようにこれがあります。
参考までに。
その他の B/L。
サレンダード B/L(Surrendered B/L)
船会社に B/L を返すんだったよね。
船会社は本来 B/L を輸出者に出しますが、
輸出者はいらないと、輸入者もいらないと言ってる。
だから裏にサインして船会社に返す。
そうするとないんですよね B/L が。
輸入者はどうやって引き取るかなんですけど、輸入者は船会社に行って、
『船がついたって連絡が来たので取りに来ました』とそれでいいんです。
着船通知の FAX とかメールでいいんです。
どういうことかというと、お金は既に払ってるんです。
輸入者がお金を払っているので B/L がいらないんです。
B/L が届いてないと貨物が引き取れないので面倒くさいんです。
例えば韓国から松茸を買ったと。
新鮮なものは届いたらすぐ欲しいんですけど、
B/L が来てないから受け取れないということになると、松茸は届いてるのに受け取れないから船の中にいると。
まずいよね。そういう時は先にお金を払っちゃってると。
だから韓国とか香港とか近いところから買う時は特にこれが必要ですね。
“Non-Negotiable Copy”というのは銀行には持ち込めないよという意味です。
ということで以上、 B/L の詳しい説明でしたけどいかがだったでしょうか。
投稿者
ジャパントラスト株式会社