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2020年04月08日

コラム/最適物流の科学 おわりに②

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

最終回となる今回は、「おわりに」というテーマでお話しいたします。

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「おわりに

 

本書の締めくくりとして荷主の皆様に対して僭越ですが、ひと言ご提案を申し上げたいと思います。

私は、荷主の皆様から「できるだけコストを抑えたい」といったご要望を常日頃から受けております。貨物を発送する立場において、海上運賃を下げたいという気持ちは十分理解できます。

いずれの企業も、コスト削減が重要な課題となっていることは間違いないでしょう。弊社も、船会社に対しては荷主の立場になりますので、海上運賃の仕入れに際して、毎日のように値下げ交渉を行なっております。

ただ一方で、マーケットレベルがあまりにも低下してしまった現状に対して、強い危機感も抱いております。値下げを求めながらも、これ以上船会社の経営を圧迫するようなことは避けたいとの思いがあるのです。実際のところ、荷主からのご要望に応じて、健全に会社を運営する商権維持のために仕方なく交渉を行なっているのが現状です。

本書で再三述べてきましたが、海上運賃は二〇一七年現在、適正なレベルを超えて安くなっています。

そうした中でも私たちは、毎年運賃が下がるものだという前提で値下げ交渉を繰り返し、原価低減を目指してきました。結果として、これが海運業界の不安定化を招き、私たちユーザーにとって大きな不利益として返ってきているのです。

船会社はかつての半数近くになるまでに淘汰されました。経営の効率化を目指して再編が行なわれてきたにもかかわらず、ほとんどの船会社は今なお巨額な赤字を抱えながら運航しています。

実際に、日本の運賃レベルは、中国・アジアのマーケットに比べて、安値でしかも固定化されてしまっているので、スペースを割り当てられない傾向にあります。さらに、船そのものを日本に寄港することやサービスを中止するケースが増えています。経営を圧迫するほどの赤字を抱えている船会社にとって、日本でのサービスを維持することすらできなくなってきているのです。

そうした現状から考えると、海上運賃はもうすでに底値を割っているといっても間違いではないでしょう。限界を超えてしまっている中で、これ以上値下げ交渉をしても、実質的に荷主側にリターンは見込めません。そろそろ、この流れは止める時期に来ているではないでしょうか。

荷主の皆様の中には、製造コストの数%に満たない一コンテナ数百ドルというレベルの運賃交渉を毎年続けられているところもあります。そこで値下げが実現しても、実質的なリターンはそれほど大きくないでしょう。そうした本業以外のコストセーブに使っている労力・経営資源を、本来の業務に投入し、より良い製品を研究・開発・販売していく方が、むしろ利益に繋がるのではないでしょうか(日本企業の製品は高付加価値をつけることができるので、運賃負担力は比較的高いはずと、個人的には思っています)。

第二章で述べたように、物流など本業以外の業務をアウトソーシング化することは、現在のビジネスのトレンドでもあります。荷主企業が本来の業務に集中することは、結果として自社の利益に繋がると同時に、海運業界の再生にも繋がっていきます。業界の枠を超えて、広く荷主の皆様と上記のような問題意識を共有し、海運業界の維持発展を目指していきたいと考えています。

ところで、本書では海運業界の厳しい現状について繰り返し述べてきました。読者の皆さんの中には、この業界に対してマイナスのイメージを持たれた方がいるかもしれません。しかし、私はこのような状況がずっと続くとは思っていません。あくまでも今は過渡期であり、海運業界は今後必ず良い方向へ向かうものと確信しています。船会社のスペース供給過剰によって競争が激化する傾向は今なお続いていますが、マーケット自体は大きく発展していくことが予想されるからです。

世界中のメーカーが、安い労働賃金を求めて工場を国外へ移すことは、資本主義経済の中では必然的な流れです。これは今後も決して止まることはないでしょう。実際、グローバル化の進んだ現在、世界の貿易量は毎年増加傾向にあります。貿易量が増加すれば、海上輸送の需要も必然的に増えていくことは明らかです。

第一章で述べたとおり、遥か昔から、地球の約七割は海に覆われています。広大な海を、人や物を乗せて行き来し、世界と世界を繫いできた海運業界。そして、それは今でも、今後も変わりません。その広大な大海原というステージは、世界経済を動かすまさに大動脈です。ここで膨大な量の物を動かす海運業の重要性は、今後も変わることはないと断言できます。

ビジネスの世界でどんなにIT化が進んでも、実際に物を運ぶ産業がなくなることはありません。私は、フォワーダー(NVOCC)業を長年営んできた経験からも、海運業が世界経済、社会基盤を支える夢のある非常に重要な産業であると確信しています。海運業は、人類の発展に欠かせないといっても過言ではないでしょう。

海運業界が従来の活気を取り戻し、ひいては荷主に利益が還元される。本書が、そうした好循環を生み出すきっかけになることを願うばかりです。

最後に、常日頃サポートいただいている荷主の皆様、いつもご無理を聞いていただいている船会社の皆様、そしてこれまでにこの業界で出会ったすべての皆様に心より感謝を申し上げて、筆を置きたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

As I have repeatedly mentioned in this book, maritime fares are cheaper beyond reasonable levels now (2017).

 

Under such circumstances, we repeated price cut negotiations on the premise that the fares will go down every year and we aimed at cost reduction. As a result, this leads to the instability of the shipping industry, producing a big disadvantage for us users.

 

Shipping companies have been culled by nearly half of them. Despite the reorganization aimed at increasing management efficiency, most shipping companies are still operating with huge deficits.

 

In fact, since the fare level in Japan has been unreasonably low and fixed at this very low level compared to the market in China and Asia, shipping companies tend to be unable to allocate space. In addition, more cases of cancellation of calling vessels to Japan and stopping services are on the increase. It is getting impossible for shipping companies with such pressing deficits to maintain services in Japan.

 

In this connection, It would not be erroneous to say that the ocean freight fare has already sunk lower than the bottom price. Beyond the limits, virtually no shippers can expect return even if we negotiate price cuts any more. The time of stopping this flow will be coming gradually.

 

Some shippers continue to negotiate freight rates on the level of a few hundred dollars per a container that is less than a few percents of manufacturing cost every year. So even if price cuts are realized through these negotiations, substantial returns will not be so big. l think that rather than they l put the labor and management resources used for cost saving other than for such main business in the original work and researching, developing and selling better products will lead to better profits. (Because Japanese products can give high added value, I personally think that the fare burden power must be relatively high.)

 

As I mentioned in Chapter 2, It is also a trend of current business to outsource non-core businesses such as logistics.

 

As a result, focusing on the original business of shipping companies will lead to their profits. Also it will lead to the revitalization of the shipping industry. I would like to share the consciousness of the above-mentioned problems of the shipping industry with many shippers beyond the industrial boundaries. In this way, I would like to aim to contribute to upholding and developing the shipping industry.

 

I have repeatedly stated the severe situation of the shipping industry in this book. There may be the people among the readers who may develop negative images against this industry. But I do not think that this trying situation will continue for a long time. We are now in a transition period. I am convinced that the shipping industry will surely move in a better direction. Although we are witnessing the tendency of intensifying competitions due to the shipping companies’ oversupply of spaces is still going on, the market itself is expected to develop to a tremendous degree.

 

It is inevitable in the capitalist economy that manufacturers move their factories outside of their countries seeking the supply of labor at cheaper wages from around the world. This is happening all over the world. It will never stop in the future. In fact, the world trade volume is increasing every year now that globalization is everywhere. If the trade volume increases, it is clear that the demand for maritime transport will inevitably increase.

 

As I wrote in Chapter 1, some seventy percent of the earth is covered by the ocean since the ancient time. This vast ocean is the stage for the shipping industry. By going back and forth from sea to seas and carrying people and goods from world to world, the shipping industry indeed serves as vital arteries for the world economy.  The significance of the shipping industry will never dwindle. I can assert this.

 

No matter how IT may advance in the business world, the transportation Industry actually carrying things will never diminish. I have been in the forwarder (NVOCC) industry for many years. Based upon this experience, I am convinced that the shipping industry is a very important one that has a mission to support the world economy and social infrastructure.  It may not be an overstatement to say that the shipping industry is full of dreams and indispensable for the development of humanity.

 

With all my heart, I hope that this book will serve as an impetus to create a great circle by causing the shipping industry to regain its original vitality and the shippers to prosper by gaining more profits. The shipping industry regains, the profit is reduced to the shipper eventually. I just hope that this book will give rise to such a virtuous circle.

 

Finally, to all the shippers who always support me, to everyone at shipping companies who always listen to my excessive requests, and to everyone I have met in this industry thus far, I would like to thank you all from the bottom of my heart. With this said, I will lay down my pen. Thank you very much for reading  till the end of this book.

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年04月01日

コラム/最適物流の科学 おわりに

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

最終回となる今回は、「おわりに」というテーマでお話しいたします。

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「おわりに

 

本書の冒頭で記した通り、私は二二年間で二万八〇〇〇人を超える方々と名刺交換をしてきました。そうした多くの皆さんとの出会いが、私の仕事の糧となってきました。本書を締めくくるにあたって、これまでに出会った皆さんとの間で起きた、印象に残っているエピソードを二つご紹介しましょう。

 

「今日にでもアメリカに飛んで、ロスの港に行って、貨物を動かしてくれ! それが物流のプロだろ!」―。

 

弊社は北米航路での海上輸送を多く請け負っていますが、トラブルも少なくありません。これはそんな中であるお客様から言われたひと言です。今から一六年前(二〇〇一年)の出来事です。

この時は弊社は、大型貨物を船でアメリカへ運び、さらに内陸部へトラックで輸送するという依頼を受けていました。貨物の輸送は、船積みの段階までは順調に進んでいきました。しかしロサンゼルス港に入ったところで貨物が滞留してしまいます。港が混雑し、なかなか内陸輸送へ接続できません。動きのないまま時間だけが過ぎていき、指定の納期に間に合わせることが困難な状況に陥ってしまいました。その事実をお客様に伝えた時に言われたのが、先の言葉です。

「何て無茶なことを言うんだ」。

口には出さなかったものの、私は率直にそう思いました。その頃は、海外の港の混雑だから仕方がないという認識が一般的でした。事態の打開に向けて物流会社が海外の港に行くという発想がまったくなかったのです。

「私が行っても、状況は変わりません」。

先のお客様の要望に対して、電話で応対したスタッフはそう答えてしまいました。その当時、弊社はまだ北米に現地法人を設立していませんでした。内陸輸送のハンドリングは米系代理店に任せていたこともあり、誰かが日本から現地へ行ったところで状況を変えることはできないという固定観念に囚われていたのです。

結局、そのお客様との信頼関係は壊れてしまいました。もしスタッフがすぐにアメリカへ飛んで、現場を視察していたら、代理店を適切に動かすことができたのではないか。そんなことを思いながら、この時の対応を大いに反省しました。

この出来事を契機に、弊社の社風は変わりました。海外で問題が起きたときは、とにかくすぐに現地へ飛び、トラブルシューティングをするようになったのです。もっとも、アメリカに関しては、このトラブルで悔しい思いをした社員が現地法人を立ち上げて駐在しているので、日本から出向かなくても現場主義は実現されていますが。

すでにお気づきかもしれませんが、これは第三章(P一二二)でご紹介したエピソードに繫がっています。こうしたお客様からいただいた言葉が弊社の風土を変え、大きく成長させてくれました。

 

 

「おたくの今の営業マンを担当から外してくれ!」―。

 

ある日、私は一人のお客様から呼び出しを受けました。そのお客様は、以前私が担当していた方です。当時はすでに別の社員に担当を引き継いでいました。私が呼び出しに応じてお客様のところへ出向き、真っ先に言われたのがこの言葉です。

いきなりのお叱りに、私は驚かずにいられませんでした。引き継いだ営業マンがきっと粗相をしたのだろうと思い、恐る恐る理由を尋ねました。そこで返ってきた答えはまったく予想外のものでした。

「うちから出している海上貨物のほとんどが、おたくに変わってしまっている。シェアを取りすぎだ」。

私が唖然とする中、お客様は説明を続けました。

「うちのスタッフが、なぜかおたくの営業マンを気に入ってしまっている。他に任せていた分まで切り替えすぎてしまっているんだ」。

 

前代未聞のクレームでした。

結局、その営業マンには、お客様から伺った旨を説明し、担当を外れてもらいました。もちろん「よくやった」と褒めた上でです。「今後も、どのお客様に対しても、それぐらいの気持ちで遠慮なくやれ」と、私は彼を笑顔で称えました。

ハードを持たない弊社にとって、お客様からいただく信頼というソフトは、かけがえのない財産です。この件に関しては多少複雑な思いはあるものの、担当者の間で強い信頼関係を築くことができた好例として強く記憶に残っています。

 

前述の二例を含め、数多くのお客様との出会いの中で、私はさまざまな経験、知識を得ることができました。同時に、業界の内外を見据えるための広い視野を身につける機会にもなりました。

そうした所産が本書を執筆するにあたっての大きな基盤となっています。

こうして生まれた本書の執筆を、私が思い立った理由は二つあります。

 

一つは国際物流、特に海上輸送の実情について、物流関係者のみならず多くの他業界の方々に知ってもらいたかったという動機です。国際物流に関わる会社はたくさんありますが、各会社がどんな業務に携わっているのかを明確に答えられる人は多くないでしょう。また各社のホームページやパンフレットを見ると、多くの会社がさまざまなサービスを請け負うことを謳っており、その差がわかりづらくなっているという現状もあります。

幅広い業務の中で、何が得意分野かすら見分けがつかないケースも少なくありません。そうした状況の中、海外へ貨物を送ろうとしている荷主から「これはどの会社に頼んだらいいの?」という相談を受けることが多くあります。

実際弊社では、自社が得意としてない分野は、競合他社を紹介してます。弊社の営業マンには、不得意な分野の仕事はやみくもに受けるな、売上はどうでもいいから荷主の利益を最優先に考えて、国際物流のプロとして、ベストな他社を紹介しろ、それも「最適物流」だと教育してます。

そこで数ある国際物流業者の中で、どの事業者に委託するのがよいのか、何を基準に事業者の実力を判断すべきか、という視点から業界の全体像を描いてみました。中でも一般にはあまり知られていないフォワーダーという業態に力点を置いて解説しました。

荷主にとってどの事業者が最適かというところに立脚した点で、これから国際物流に携わろうとしている人たちの教科書的な本として、一般的なビジネス書とは違った視点を提供できたのではないかと思います。

 

もう一つの理由が、国の存亡にかかわる海運業界の現状に一石を投じたかったということです。本書の中で再三述べてきましたが、海運業界は現在、不況という荒波の真っ只中にあります。特に、船会社は非常に厳しい状況に置かれています。行き過ぎた自由競争により、全船会社に赤字が続き、船会社が吸収合併や破綻によってここ数年で半数近くにまで減少した状況は、決して健全とはいえません。荷主も、船会社が赤字に陥るほどの安い運賃は望んでいません。

むしろ、「運賃が上がってもいいから、安定したサービスや豊富な選択肢を維持してほしい」といった声をよく耳にします。実際、貿易会社を経営している私の父も、「運賃が安すぎる。高くてもいいからスペースを安定的に供給してほしい」と常々訴えています。貿易会社にとって、海上運賃はコストに他なりません。本来であれば安値は歓迎されることでしょう。しかし、荷主に懸念を抱かせるレベルまで運賃が下がってしまっているのが現状なのです。

父は同時に、これだけ船会社の数が減ってしまった海運業界の行く末も危惧しています。船会社以外の物流業者も、多角化を進め、業界内で激しい競争を行なっています。得意分野以外にもシェアを広げ、少しでも売上を伸ばそうと各社が闇雲に走り続けているのが海運業界の現状だといえます。

そこでは荷主に対して最適な物流を提供しようという視点は欠けがちです。海運業に携わる各企業が荷主の利益・利便性を第一に考え、共存共栄を目指す姿勢こそが今一番求められているのではないでしょうか。

そして、そういったことが、有事の際の日本の国防にも繫がり、貿易立国(=海運立国)である日本国民の生命線をも守っていくことになるでしょう。

そうした強い気持ちを抱きながら筆を執ったがゆえに、文中には関係者の皆さんにとって厳しい指摘も含まれているかと思います。中には、個人的な思いが強く出すぎている記述もあるでしょう。

いずれも、物流業者と荷主を、共により良い未来へ導きたいという願いから生じた、一つの見解と捉えていただければ幸いです。

 

In Conclusion

 

As I mentioned at the beginning of this book, I have exchanged business cards with over 28,000 people in 22 years. Encountering such many people has become a source of my career. In concluding this book, let me introduce two unforgettable episodes that happened in the course of my meeting with this many people.

 

Fly to the United States today, go to the port of LA and move the cargo! A logistics professional could do it!” –

 

We are undertaking a lot of maritime transportation in the North American routes. In this field of work, we come across quite a few troubles. The above is what I was once told by a customer. It happened sixteen years ago (2001).

 

At that time, we received a request to transport a large cargo to the US by ship and then transfer it to the inland by truck. Transportation of this cargo proceeded smoothly until the stage of shipping. When the cargo entered Los Angeles Port, it got stuck there. The harbor became crowded and it was hard to connect to inland transportation. Time passed while no further action was taken. This it became difficult to deliver the cargo within the designated date limit.  That is the The above phrase was uttered to me at that time by my customer.

 

I honestly thought in my mind, “What are you saying saying is so irrational I” Of course I did not utter my thought.

 

In those days, the perception was common that there was nothing we could do from here in Japan when overseas ports were crowded. It did not occur to anybody that somebody of  the international logistics company would go to an overseas port to fix the problem for breaking through the situation.

 

“Even if I go, the situation won’t change.”

 

A staffer carelessly answered by phone in the above way in response to the customer’s desperate request.  At that time, we had not established a local subsidiary in North America yet. Also in those days, I had left inland transportation to American agencies. For these reasons, I was captured by the stereotyped thought that nobody could change the situation even if someone goes to the problem site from Japan.

 

After all, the good relationship with that customer broke down after this incident. I wondered, if the staff quickly flew to the United States and inspected the site, what would have been an outcome, as he could have handled the American agency properly. Thinking about such things, I regretted how we dealt with the case at that time.

 

This incident triggered the change of our corporate culture.

 

When we heard that a problem occurred overseas, we came to jump to the trouble site quickly and started troubleshooting in any way possible. Regarding the United States, however, the staff who we had a regrettable experience of this incident launched an overseas affiliate and is stationed there these days, so hands-on approach have been realized as far as America is concerned, even if no one visits the problem site from Japan.

 

As you may have already noticed, this is connected with the episode introduced in chapter 3. These words from the customers have changed the climate of our company and contributed to our further growth.

 

“Remove your current salesman from his in-charge position!” -.

 

One day, I received a call from one customer. That customer is the one I was once in charge of. At that time another employee was already taking charge of  this customer. The above phrase was uttered by this customer as soon as I went to his company in response to his call.

 

Because I was scolded by him all of a sudden, I was so astonished. I first thought the salesperson who took over my responsibility must have made a mistake. I fearfully asked this customer why he was so upset. His response was completely beyond my expectation.

 

“Most of the maritime transport we are sending out had turned into yours. You took too much share in the marine transport business. ” While I was stunned, the customer continued what he had to say. “Our staff like your salesperson too much. Therefore, he had given too much share to your company, even including  those shares that was entrusted upon other companies.

 

It was an unheardof claim. I explained to this salesperson what I heard from this customer of his. After praising all his past efforts and saying to him, “Well-done all these years,” I, after all, removed him from his position. But I encouraged him,  “Feel free to do for every customer without hesitation, as you have been doing for this particular customer,” I thus honored him with a smile on his great salesmanship.

 

The software of trust that we have received from customers is our irreplaceable property, as we have no hardware. Although I still have a variety of emotions about this case, this incident is deeply engraved in my memory as a good example where we were able to build strong relationships of trust among people involved.

 

I was able to gain various experiences and knowledge through many encounters with many customers including the two examples cited above,. At the same time, All these experiences gave me opportunities to acquire a broad perspective on the inside and outside of the international logistics industry. These assets served as the great foundation for writing this book. There were two reasons why the idea of writing this book dawned on me.

 

The first reason was that I wanted not only logistics officials but also many people of other industries to know about the international logistics, especially the actual situation of the maritime transport. Although there are many companies involved in the international logistics, not many people can clearly answer what kind of work each logistics company is engaged in. Looking at the homepages and pamphlets of each company, many companies are claiming to undertake various services. It is not easy to differentiate their services.

 

he logistics companies are engaged in a wide range of tasks but there are a number of cases where it is hard to tell what their specialties are. Under such circumstances, we often get contacted for consultations by shippers who are trying to send cargo overseas, and their question is  “Which company should we ask to transport this cargo?”

 

In fact, our company makes it a practice to introduce other competitors for businesses in the fields that our company is not good at. I have been educating our sales people to the effect that they should not blindly accept the type of work where our company is still immature, they should always put priority on the shippers’ interests instead of our own sales profits, they should introduce to the shippers the best other companies in the spirit of the professionalism of the international logistics.  Doing these is also practicing “optimal logistics”.

 

I tried to draw the whole picture of the international logistics industry from the viewpoint of which company should be selected among the many international logistics companies. Also I had in mind was the standpoint of what criteria should be used to judge the competence of a business operator.

 

Among them, I emphatically explained the business genre of “forwarder “that is not so well known in general.

 

I trust that I was able to provide the viewpoints that we usually don’t see in general business books through this book. I believe that this book can serve as a textbook for those we are about to engage themselves in the international because I focus in this book on the question of which operator or company is the best for a shipper.

 

Another reason is that I wanted to give an impact to the current situation of the shipping industry that concerns the survival of the nation. As I repeatedly mention in this book, the shipping industry is currently in the midst of the rough waves of resession. In particular, shipping companies are in a very difficult situation. The overwhelming free competition continuously brought about deficits ro all shipping companies to the point where the number of the shipping companies has decreased to nearly half by the absorption mergers or bankcrupsy in the last few years. In no way is this a sound trend. The shippers do not necessarily want the cheap fares to the extent that the shipping companies that they trade with fall into deficits.

 

Rather, from shippers, I often hear the voice that” The fare raise is fine but keep stable services and abundant options.” In fact, my father who runs a trading company also constantly appeals “The fare is very cheap but please make sure that shipping companies will supply spaces stably.  It will be all right with me even if the fare gets expensive.” For trading companies, marine fares are surely the important part of the cost. Actually, the low cost should be welcomed. However, the fare has come down to the level that makes shippers concerned about the welfare of shipping companies.

 

At the same time, my father is also worried about the future of the shipping industryas the number of shipping companies has decreased so much. Logistics operators other than shipping companies also promote diversification and intensely compete within the industry. It is the current status of the shipping industry that each company continues to aim at expanding its market share in any way possible beyond its specialty fields by increasing its sales even a little.

This type of business moral tends to lack the philosophy of providing optimum logistics for shippers. I think that the companies that engage in the maritime industry need to first think about the interests and convenience of shippers and this attitude toward coexistence and mutual prosperity is the most sought after today.

 

This type of attitude will lead to Japan’s defense in the case of an emergency, and protect the lifeline of the  people of Japan that is the trading nation (maritime transport nation).

 

With such a strong feeling, I took a pen. I may have said something harsh to some people concerned. In some cases, I may have pushed forth my personal views too strongly.

 

I’m happy if you regard my descriptions as the view that  arises from a sincere  desire to lead both tdistributors and shippers together to a better future.

 

I would like to make a proposal for shippers with all due respect for them all in closing this book. I receive a request from shippers all the time “I would like to  keep the cost as low as possible”. I can fully understand shippers’ desire to lower the fare in their position where their job is to ship cargo.

 

There is no doubt that cost reduction is an important issue for every company. Since our company also takes a shipper’s position in dealing with a shipping company, we engage in price cut negotiations every day on purchasing offshore fares.

 

On the other hand, we have a strong sense of crisis against the current situation where the market level has declined too much. Also as a shipper, I naturally have a desire to seek fare reductions, but it is also true that I do not want to give further pressure to the management of the shipping companies.As a matter of fact, our company is engaged in negotiation with some shipping companies to help them maintain their right to continue their business in a sound manner.

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年03月25日

コラム/最適物流の科学㊿

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第五十回となる今回は、「過当競争の荒波を越えて」というテーマで「手を携え「最適物流」の実現を」をお話しいたします。

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手を携え「最適物流」の実現を

 

海上運賃の適正化と同時に、各海運業者の関係にも適正化が求められます。荷主の要望に対し柔軟に応えていく上で、事業の多角化は必要なことかもしれません。ただ、いずれの企業もすべての業務を自社で行なうことはできません。自社が得意とする分野以外は外部の事業者に委託するのです。本来の同業者間で競い合うこと自体は否定されるものではないでしょう。しかし、業種の垣根を越えて闇雲に仕事を奪い合う状況は、あまり健全とはいえません。

それよりも各事業者が自社の特徴・強みを生かせる分野にできるだけ特化し、それを伸ばしながら分業化を志向する取り組みが重要ではないでしょうか。一企業が業種の幅を広げて無闇に競争するのではなく、各社がもっと本来の業務に力点を置き、緩やかな連携によって荷主のニーズに応えていくのが理想です。そうした棲み分けを図ることで無駄な部分をなくし、各事業者が業界内で共存していくことも重要だといえるでしょう。

海運業者が多角化する動きは、荷主にとっては歓迎すべき傾向に思えるかもしれません。どの会社に委託してもほぼワンストップで国際物流を担ってもらえるのは便利で、実際そうしたニーズは高まっています。しかし先に述べたように、事業者の違いや特徴がわかりづらくなるといったデメリットを生んでいることも事実です。それ以上に問題なのは、荷主の依頼に対して必ずしも最適な業者に業務委託がなされていないという現状です。

各事業者は、自社でできない業務を他社にアウトソーシングします。このとき多くの事業者は、グループ会社や昔から付き合いのある会社など、自社と近い関係にある業者に発注します。

しかし委託した業者が荷主のニーズにもっとも適しているとは限りません。たとえば倉庫会社の倉庫が最短ルートから離れた場所にあれば輸送効率が悪くなります。運送業者が顧客の貨物に最適なトラックを保有していなければ、安全な輸送に懸念が生じます。内陸輸送と海上輸送の連携が悪ければその分時間を浪費する事態に至ります。

特殊な貨物の場合は、取扱いに不慣れな会社に任せると安全性を十分確保できなくなる恐れがあります。単にその分野の看板を掲げているという点だけでなく、特性・得意分野を見極め、安全性やリードタイム、コストといった要素を考慮し、総合的に委託する会社を選定する必要があるのです。

国際物流業者を選ぶときに考慮するポイントは、第三・四章で述べた通りです。「海外拠点の多さ」、「ネットワークの広さ」、「中立性の有無」を、その重要なポイントとして挙げました。

さらに事業者の実力を判断する基準として、「スペース確保力」、「情報収集力・発信力」、「スピード対応力」の三点を紹介しました。これらの条件を満たす国際物流業者が、最適なプロフェッショナルたちとタッグを組んで貨物を輸送することこそが、「最適物流」なのです。

 

Realization of “optimal logistics” through joint efforts

 

The ocean fare is required to be adjusted properly. At the same time, the relationships among shipping companies are also need correction. Diversification of business might be necessary to respond to shippers’ request flexible. Diversification of business might be necessary to flexibly respond to shipper’s request. Still, none of the companies can do their whole businesses by themselves. I propose that companies should entrust outside companies with the exception of  the particular fields where they are superior. The idea of competing with the companies that were originally in the same industry should not be denied. However robbing one another of business opporunities beyond the industry borders is not morally healthy.

 

I believe the important thing is that each company makes efforts to specialize as much as possible in the field where their characteristics and strengths can be manifested. Also important is that they aim to realize the division of their labor while pursuing their strong realms. My ideal is that each company will  concentrate on their original business and thus respond to the shipper’s needs by gentle cooperations, instead of simply attempting to expand their businesses and compete indiscriminately. It can be said that the important thing is to reduce wasted efforts and make coexistence and mutual prosperity possible by dividing the responsible  business fields in this manner.

 

The diversification movement of shipping companies may be welcomed by shippers. Whichever shipping company we may choose for international transport, if it could handle everything to the end, that would be so convenient and wonderful. Actually such needs of one-stop operation are increasing. However, as I mentioned earlier, this diversification trend entails the disadvantage that it is difficult to see differences among or characteristics of the shipping companies. Moreover, the outsourced company is not always an optimal choice for the shipper’s request. This is much more problematic.

Companies usually outsource the field that they cannot take care of themselves. When they outsource, they send orders to ta closely-related company or such a company as is in the same group or a long-acquainted company.

 

However, the outsourced companies are not always best suitable for the shipper’s needs. For example, if the warehouse of the outsourced company is located away from the shortest route, the transportation efficiency is very poor. For example, if the outsourced carrier does not own the optimal truck for the shipper’s cargo, iConcern about safe transportation will arise. For example, if the cooperation between inland transportation and marine transportation is poor, time will be easily wasted.

 

If the unfamiliar company handles a special cargo, sufficient safety may not be secured. It is necessary to select a company by comprehensively considering the factors such as characteristics, specialty, safety, lead time, and cost. Just knowing the company is in that field is not good enough for this selection.

I described the points to consider in choosing an international logistics agency in chapter 3 and 4. I listed “the number of overseas bases”, “the vastness of the network”, “the existence of neutrality” as its important points.

 

In addition, I introduced the three points “ability to secure the space”, “information gathering ability / ability to be an origin of information”, “ability to respond to speed” as criteria for judging the competence of the international logistics agency. “Optimal logistics” means the Cargo transport by the international logistics agency that fulfills these requirements and work otgether in rhythm with the most appropriate professionals.

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年03月18日

コラム/最適物流の科学㊾

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十九回となる今回は、「過当競争の荒波を越えて」というテーマで「適正運賃が荷主の利益を守る」をお話しいたします。

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適正運賃が荷主の利益を守る

 

かつて国際定期航路の運賃は、海運業者間の協定によって決められていました。それを行なっていたのが、海運同盟あるいは運賃同盟と呼ばれる国際的なカルテルです。運賃を定めるだけでなく、寄港地を規制したり、新規参入を制限したりすることで過当競争を防いでいました。

しかし一九八〇年代に入ると、同盟に加入しない船会社が現れるとともに、アメリカで規制緩和が進められたことなどにより、同盟は弱体化していきました。その後もEUで海運同盟に対する競争法(独占禁止法)の適用が決まるなど、同盟の力はますます弱まっていきました。こうした経緯で海運同盟が実質的に崩壊したことも、今日のような過当競争を招いた要因としてあげられます。最近の世界的な海上運賃の下落傾向は、「上海発海上コンテナ運賃指数(SCFI:Shanghai Containerized Freight Index)」の推移などを見ても明らかです。

 

運賃を自由競争に委ねること自体は間違いではありません。あらゆる障壁を撤廃し、新規参入を促すことは経済を活性化させる上で必要です。競争によって運賃が下がり、サービスが向上するのであれば、それは荷主にとって喜ばしい結果でしょう。しかし競争の激化によって船会社自体が疲弊してしまっているのが海運業界の現状なのです。

実際、二〇一六年には韓進海運という大手船会社が破綻するという事態も起きてしまいました。この時荷主は、他の船に貨物を移す必要に迫られ、大きな負担を強いられました。中には航空輸送を使わざるを得なくなり、莫大な費用負担を強いられた荷主も少なくありませんでした。

安い運賃によって利益を享受できても、船会社がサービス停止に追い込まれたり、あるいは合併等でサービスが集約されてしまったりしたら、その都度荷主は、高い費用を払ってでも他の輸送手段を見つけねばならなくなります。船会社の経営状態を心配しながら貨物を委託する会社を選ばねばならない状況は健全とはいえません。リスクを伴う低運賃よりも、安定・安心の可能性が高い適正運賃の方が荷主にとって好ましいのではないでしょうか。

以前、ある船会社で、上海からブラジルまで一コンテナ一〇〇ドルという常識では考えられない運賃の提示がなされました。そこまで極端なレベルの低運賃を望む荷主がいるでしょうか。

運賃競争がこのまま行き着くところまで行った場合、最終的には船会社が一社になることすら現実味を帯びてきます。サービスが一つに集約されることが、荷主にとっての利益といえるでしょうか。「最適物流」も、複数の船会社がさまざまなルートで船を運航させて初めて実現されます。

船会社がここ数十年にわたって繰り返してきたシェア争いも、そろそろ見直す時期に来ているかと思います。業界では、これまでにGRI:General Rate Increase(海上運賃一括値上げ)が何度も試みられてきましたが、いずれも失敗に終わりました。船腹量が余剰している限り、従来のやり方では効果が一時的なものだということは歴史が証明しています。また、近年では日本の海運マーケットは世界一安いともいわれています。これは、船会社と実荷主の直接契約の歴史が長いのも一つの原因であると思います。

なかには、船会社が荷主に運賃を提示する際、「大手荷主だから」、「有名荷主だから」、「付き合いが長いから」といった非経済的な理由で安売りをしてしまうケースもみられます。取引を維持するためにはやむを得ないことかもしれませんが、それは結果として自らの首を絞めるようなものです。

やはり、正確にコストを把握し、適正な利益を乗せた運賃を、どの荷主に対しても提示することが求められます。とはいえ、船会社が実荷主に対して圧倒的に不利な立場にあるという現実がある以上、それまでの慣行を変えるのは難しいことかもしれません。

そこで、一つの解決策として、船会社(実運送事業者)から実荷主には直接スペースを提供せず、フォワーダーにのみ提供する方法を提案したいと思います。フォワーダーが荷主の代わりに全船会社の情報を収集し、交渉をするのです。

船会社が直接に実荷主に営業をする場合、どうしても固定費を少しでもカバーするため船会社の立場が弱くなり、今までの付き合いやネームバリューを重視し、採算度外視で安い運賃を提示しがちです。

そうではなく、スペースをフォワーダーのみに適正運賃で卸し、実荷主に対する営業はフォワーダーに託し、そこで適正な競争をしてもらうのです。フォワーダーは、基本的に船会社からの仕入れ値以下で売ることはありません。自社で船を所有しないためその固定費がなく、スペースが自社の在庫になるわけでもないので、赤字を出すレベルまで安く売る必要はないからです。

また、そうすることで船会社は自社船の運航に専念することができます。同様に、荷主も本業に専念することができます。実際、荷主が全船会社の情報を集め、船会社と直接交渉をするのは容易なことではありません。日本国内で国際物流の情報を広く収集するのは非常に難しいのが現状です。

そうした情報を収集し、提供することこそが、フォワーダーの役割であり、かつ最大の特徴ともいえるでしょう。フォワーダーは、海外にある船会社の本社を直接訪問し、その船会社のプライシング、スペースコントロール担当者と直接交渉し、パイプを構築します。さらには、船会社の役員クラスの人物と会食等を通じての情報収集を行なうこともあります。そうして、日本の船会社の担当者も知り得ない情報を得るのです。

実際エアー業界は、すでにエアーフォワーダーだけにスペースが提供されるスタイルでほぼ運営されています。海運業界でもできないことはないでしょう。また海外では、フォワーダーの方が実荷主に近く、船会社と健全なパートナーシップを結んでいるケースが多く見られます。

船会社は、売っているもの(船のスペース)を在庫にすることができません。買い手に対して圧倒的に不利な立場にある船会社を保護することこそが、「公正な取引」といえるでしょう。先に述べた通り、かつては海運同盟(運賃同盟)という国際的なカルテルがありました。運賃に関して、そうした緩やかな話し合いの場があってもいいのではないでしょうか。

適正価格で商売ができない業界は、いずれ必ず立ち行かなくなります。産業自体も衰退へと向かいます。

日本の海運業の維持・発展のためには、適正運賃の確保に向けた努力も求められるのです。日本の海運業界が最悪の事態に陥らないためにも、公正取引委員会への陳情を含め、何らかの手を打つべきではないかと、私は思っています。

第一章で述べた通り、日本の貿易は九九%以上が船舶によって行われています。日本の生存に欠かせない重要な社会基盤ともいえる外航海運を担う日系企業が、遂に一社に集約されました。一九六〇年代に一二社あった日本の船会社が、約半世紀を経て一社になってしまったのです。

談合や同盟、今では船会社の人間同士の挨拶すら厳禁なのに、合併ならOKなのでしょうか。合併はむしろ同盟よりも立派な〝談合〟になるのではないでしょうか。同盟というゆるやかな話し合いの場があり、複数の船会社が存在することにより、ユーザー側からしたら、運賃の値差があり、競争させることができておりました。サービス内容・価格が全く統一されるより複数の選択肢があったほうが、消費者保護になるのではないでしょうか。

新会社での船出も、決して順風満帆ではありません。外資との競争で将来的にどうなるかわからないという不安を抱きながらの出発です。今後、外航海運を担う日本の船会社がゼロになる可能性は否定できません。

それは、たとえば電力会社がすべて外資になるに等しいことです。もし日本の電力を外資に握られたとしたら、有事の際に日本に電力を供給してくれるでしょうか。日本の海運はそうした危機的な段階に入ろうとしているのです。

船会社は、輸送効率を上げるために船を大型化しました。そしてスペースの供給過剰に陥り利益率が下がりました。続いて業績不振を打開するため合併や買収を進め、アライアンスにより共同運航を実施しました。

同時に外国籍船、外国人船員に運航を委ねるようになりました。こうした一連の動きにより、低運賃が実現される一方で、荷主の利便性は失われていきます。さらには、日本の有事への備えを失うことにも繫がります。この流れは船会社だけでなく、関連業者、荷主、そして一般国民にとっても決してメリットにはならないでしょう。一業界人として、船会社間の競争の緩和を切に望みます。

 

  1. Going beyond the wild waves of excessive competitions

 

Proper fare protects shipper’s profit

 

Formerly, the international regular route fare was decided on by agreement among shipping companies.

An international cartel called shipping alliance or fare alliance was engaged in this important task. In addition to determining fares, they prevented excessive competition by restricting the call ports and restricting new entrants.

 

In the 1980 ‘s, the alliance became weakened due to the appearance of the shipping companies that did not join the alliance, and also because of the advancement of the deregulation in the US. Furthermore, the power of the alliance continued to get weakened , due to the new application of the competition law (antitrust law) against the shipping alliance in the EU. The shipping alliance virtually collapsed under these circumstances. This fact is one of the reasons that brought the excessive competition like the one seen today. It is clear that the worldwide marine fare is declining these days. This is conspicuous by looking at the transition of “Shanghai Containerized Freight Index (SCFI)”.

 

The idea of protecting the fares from free competition is not a mistake in itself. Eliminating all barriers and encouraging new entry is necessary for revitalizing the economy. If the competition reduces freight and improves service, it will be  pleasing news for shippers. Shipping companies themselves are getting exhausted due to intensified competition. It is the current status of the shipping industry.

 

In fact, in 2016, a major shipping company called Hanjin Shipping had collapsed. At that time, the shipper had to transfer the cargo to another ship. Some shippers had no choice but to use air transportation, and not a few shippers were forced to accept a huge cost.

 

Even if shippers take the profit with a cheap fare, they have to find other transportation methods with high costs each time when a shipping companies are forced to stop the operation or to combine their services due to a consolidation. The situation that shipper has to choose with considering about the managing condition of the shipping company is not proper. The proper fare with high possibility of stability and security than low-cost fare with risk would be better for the shippers.

 

In the past, one shipping company presented the fare of $100 per container from Shanghai to Brazil. This rate was so outrageous. Does any shipper really want such an extremely low fare?

 

If the fare competition gets further heated up,  it may become realistic that only one company will survive in the shipping industry. Do you think the shipper will  benefit if the marine service should be consolidated into one?

 

“Optimum logistics” is also realized only when multiple shipping companies operate various routes.

It is the time we should review the fight over the market share among shipping companies for the past several decades. In the shipping industry, GRI: General Rate Increase has been attempted many times, but none of them  succeeded. History proves that its effect was temporary in the conventional measure as long as the ship quantity is surplus. Besides, the Japanese shipping market is said to be cheapest in the world in recent years. In Japan, the history of direct contracts between shipping companies and shippers is long. This is also one reason why the Japanese marine market can be so cheap.

In some cases, shipping companies present a very cheap fare to the shipper for non-economic reasons such as “You’re a big shipper”, You’re a famous shipper” or “Ours is a long relationship”. Although it may be unavoidable for maintaining trading, it is as if they were inviting a bad result to themselves. In any case, it is required for the shipping company to always grasp the cost exactly and present to every shipper the proper fare that includes its appropriate profits. In reality, shipping companies are overwhelmingly in a disadvantageous position in contrast with shippers. Under such circumstances,  it may be difficult for the shipping companies to change their conventional practices.

 

In this context, as one solution, I would like to propose to shipping companies (real transportation companies) that they should only provide their shipping spaces for forwarders, not to real shippers. Forwarders collect information about all shipping companies and negotiate with them on behalf of shippers.

 

When shipping companies negotiate with real shippers directly, they much care about the long-term relationship or name value and tend to present cheap fare without much thought of profit. It is because shipping companies somehow try to cover their fixed cost, and as a result, they are in a weak compare position in dealing with actual shippers.

 

Instead, the shipping companies sell their spaces to only forwarders with the appropriate fare. They commission forwarders to do sales activity, and then forwarders compete properly. Forwarders basically do not sell below the purchase price from shipping companies. It is because forwarders do not own ships, therefore unsold spaces do not become their stocks. That explains forwarders do not need to sell cheaply to the level which generates a deficit.

 

Accordingly, the shipping companies can also dedicate themselves to operating their own ships. The shippers can concentrate on their main business just as the shipping companies can do so. In fact, it is not easy for shippers to get information from all shipping companies and negotiate directly with shipping companies. Collecting information of international logistics in detail is very difficult currently in Japan.

 

To collect and provide such information is the role of the forwarder, It can be said that doing so is the biggest characteristics of the forwarder. Forwarders visit the headquarters of shipping companies that is located overseas. They make a strong connection by direct negotiations with the person who takes charge of pricing and space-controlling. Furthermore, it sometimes happens that forwarders collect information by having a kaishoku lunch or dinner with the persons who is in the officer class of the shipping company. Like this, Forwarders may get the information that even the person who represents the Japanese shipping company can not get.

 

Actually, the air transportation industry is already operated in the manner that almost all spaces are provided only for air forwarders. The marine transportation industry is also able to realize this style. Abroad, there are many cases that forwarders make closer relationships and healthy partnerships with real shippers.

 

Shipping companies can not stock what they sell (the spaces of the ship). To protect shipping companies in overwhelmingly disadvantaged to buyers is a “fair deal”. As I mentioned earlier, there was an international cartel called the shipping conference (freight union). I suggest shipping companies should be able to have a good discussion opportunity regarding freight.

 

The industry which people cannot do the business with the proper prices will be doomed to fail sooner or later. The industry itself will surely decline.

 

Efforts are also required to secure proper fares to maintain and develop the Japanese shipping industry. I think something should be done including a petition to the Fair Trade Commission to avoid Japanese marine shipping industry’s plunge into the worst situation.

 

As I mentioned in Chapter 1, over 99% of Japanese trade is carried out by ships. Japanese shipping companies are responsible for international shipping, which can be said to be an important social infrastructure that is indispensable for the survival of Japan, The fact is that all the Japanese international shipping companies have been actually consolidated into one company after half a century history of the international shipping industry. In other words,

there were 12 Japanese shipping companies in 1960’s. Today after about a half century, they have become one gigantic company.

 

Bid rigging or alliance, even greeting people with shipping companies are prohibited in he shipping industry today in Japan. I wonder why consolidation is OK even greetings are severely frowned upon. was no problem? Rather than the alliance, the consolidation could be looked upon as a case of”bid rigging”. Because the alliance can be regarded as gentle negotiation opportunities. When multiple shipping companies are around, the fare differences did occur and they could fairly compete with one another. Natural competetions would be better for protecting consumers by letting them have multiple choices than having them face unified services and prices.

 

Making a new shipping company is also never promised successno easy challenge at first. It is uncertain if it will do well in the future in  competing with foreign capital. It could happen in the future that there will be no more Japanese shipping companies that handle the international shipping. For example, it is almost equal to the situation where all electric companies are managed under foreign capital. If foreign capital take all Japanese electric power, will they supply electricity for Japan at the time of a war? The Japanese shipping industry is about to enter such a critical stage.

 

Shipping companies have enlarged their ships to increase transportation efficiency. It then caused too much space supply. As a result, the profit margin fell down. Subsequently, shipping companies enforced mergers or acquisitions to overcome their economic slump. They realized cooperative ship operations through alliances.

 

At the same time, Japanese shipping companies started to entrust foreign ships and foreign crew members to operate them. Through these movements, the low fare was realized, and, on the other hand, shippers had to face inconveniences. In addition, it leads to Japan’s setback in terms of its preparation for a future war. This flow will not benefit not only shipping companies but also related companies, shippers, and the general public. As the person who is involved in the shipping industry, I earnestly wish the competitions among shipping companies will soften.

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つづく。

次回は、「過当競争の荒波を越えて」というテーマで「手を携え「最適物流」の実現を」をお話しいたします。

 

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年03月11日

コラム/最適物流の科学㊽

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十八回となる今回は、「日本籍船・日本人船員が激減した背景は」というテーマで「外国籍船が九割以上を占める日本の実情」をお話しいたします。

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外国籍船が九割以上を占める日本の実情

 

海運業界の現状として、外国籍の船が増加していることにも注目しておく必要があります。船は海上を航行するにあたって、いずれかの国に登録する必要があります。その登録国籍を船籍といいます。序章で二〇一七年六月に起きた衝突事故について記しましたが、その当事者となったコンテナ船ACXクリスタルはフィリピン船籍でした。二〇人の乗務員も同様に全員がフィリピン国籍でした。この例のように、日本の船会社が運航する船でありながら、船籍も乗務員も日本籍でないといったケースは今日では珍しいことではありません。

一九七〇年ごろは、日本商船隊(日本の外航海運会社が運航する商船)のうち、日本籍船は五割を超えていました。しかし、一九七八年には外国籍船の割合が日本籍船を上回ります。その後も日本籍船減少の傾向は続き、二〇〇〇年代に入る頃にはその割合は一〇%を下回る水準にまで減少しました。さらに二〇〇八年には三・七%にまで落ち込みました。

日本商船隊の構成を見ると、国・地域別ではパナマが六一・三%(一五七〇隻)と圧倒的な比率を占めています。次いで日本七・七%(一九七隻)、リベリア五・九%(一五二隻)、シンガポール五・三%(一三七隻)、香港四・四%(一一二隻)などと続きます(二〇一五年)。

日本の船舶法では、日本の船舶はその所有者の住所地に船籍港を置くことが規定されています。しかし、パナマやリベリアといった国にペーパーカンパニーを設立し、そこに船籍を置く場合があります。こうした船を便宜置籍船と呼びます。外国に船籍を置く最大の理由は税金対策です。同時に大きな目的となっているのが、外国人船員を乗せることにあります。日本籍船には日本の免許を持った船員の乗船が義務付けられていますが、外国籍船であればそうした制約を受けません。外国人船員を乗せた方がコストを削減できるため、船会社はそうした選択をしているのです。

便宜置籍船が増えることは、税収、日本人船員の雇用といった点で我が国に不利益をもたらします。また便宜置籍国の海運の発展を阻害するといった問題も指摘されるなど、この傾向に対して批判的な意見が多いことも事実です。とはいえ過当競争が繰り広げられている海運業界において、船会社がコストの高い日本籍船を所有するのは難しいという現実があります。

問われる日本籍船を保持する意味

二〇一一年の東日本大震災に際して、日本の海運業界はその復興支援に大きな力を発揮しました。内航海運業界は震災発生からまもなく対策本部を設置し、業界を挙げて救援物資などの輸送を開始しました。外航海運業界も、日本船主協会と川崎汽船、商船三井、日本郵船の各社が協力し、海外から被災地に向けて物資の輸送を行ないました。

一方で海外の船会社の中には、日本への寄港を回避する動きが見られました。リベリアなどは、福島第一原発事故による放射能漏れへの懸念から、一定距離内の海域での航行回避を推奨する勧告を出しました。ドイツのある船会社は、本社の指示で京浜港への寄港を取りやめました。同様に各船会社の判断で外航船舶の日本への寄港を回避するケースが相次ぎます。さらには、外国人船員が日本船舶への乗船を拒否したり、外国の港で日本の外航船が入港を断られたりするケースもありました。

一連の出来事は、いずれも原発事故に関する風評に起因するものです。正確な情報が伝わると同時にそうした動きは終息に向かいましたが、日本の非常時に際して、諸外国が必ずしも協力的な態度を示してくれるわけではないことを知らされる事象でもありました。

日本が戦争に巻き込まれるような事態が起きた場合は、そうした懸念がさらに高まります。古今東西、戦争の勝敗は兵站(ロジスティック)の構築・維持が左右してきたと言っても過言ではないでしょう。現代の戦争において、軍事物資輸送の主力を担っているのがコンテナ船です。つまり、コンテナ船をどれだけ確保できるかが、国の命運を左右するともいえるのです。

先の太平洋戦争で日本が敗れた要因は、ロジスティクス戦略の欠乏によるところが大きいともいわれています。当時、アメリカの潜水艦は、日本の戦艦を狙わず、輸送船を集中的に攻撃しました。そうすることで、リスクのある戦闘をすることなく効率的に日本の前線兵力を消耗させていったのです。戦争そのものを避けるよう最大限の外交努力をすることが重要であるのはいうまでもありません。しかし、もし万が一戦争という事態に突入してしまった場合のことを考えると、(ここでは多くは語りませんが)かつて太平洋の島々で起きた悲劇的な出来事が二度と繰り返されないよう、やはり兵站を担う輸送船を平時から保持しておくことも欠かせないでしょう。

先に見たように、今日では日本と外国の港を行き来する船の多くが外国籍で、乗務員も外国籍を持つ人たちが多くを占めています。平時においては支障がなくても、想像を超える災害発生時や戦争などの有事に際してそれらの船が日本のために動いてくれるかどうかが強く懸念されます。

政府も日本籍船が極めて少ない状況を憂慮し、さまざまな取り組みを始めています。その一つが、一九九六年に導入された国際船舶制度です。日本籍船のうち国際海上輸送を確保する上で重要な船舶を国際船舶と位置付けて、一定の要件を満たす船舶については海外への譲渡、貸渡に際して届出制・中止勧告制を取るというものです。このような船舶に対しては、税制上の支援措置が講じられます。他にも外国籍船を日本籍船にするための変更手続き(フラッグバック)の見直し、改善に向けた取り組みも進められています。こうした施策により二〇〇九年以後は日本籍船の数が増加に転じ、二〇一五年には七・七%まで回復しています。

海運業者は、荷主の利益を第一に考える必要があります。その前提として、業界内で生き残っていくために、自社の利益を追求することも否定されるものではありません。ただし有事に際しては、事業者が国民全体の利益を最優先に考えることも重要になってきます。

また、万が一国際的な合併等によって、外航海運を担う日本の船会社がなくなったとしても、日系の物流会社が市場をコントロールするだけの力を持ち続ける必要があります。有事に際しては、そうした日系物流会社が存在することも欠かせないのです。

 

  1. Background of the sharp decline of Japanese flag ship and Japanese crew

 

Facts of Japan where foreign vessels account for more than 90% of the ships it operates.

 

It is also necessary to pay attention to the increasing number of foreign-owned vessels as the current situation of the shipping industry. Ships sailing over the sea need to register in one of the countries. That registered nationality is called a flag country. I wrote in the introduction about the collision accident that occurred in June of 2016. The container ship ACX Crystal was a Filipino flag. Likewise, all 20 crew members were Philippine nationality. As in this example, it is not uncommon today that shipping companies and crew members are not Japanese nationality while being operated by Japanese shipping companies.

Around the time of the 1970s, among Japanese merchant fleets (merchant ships operated by an international shipping company of Japan), Japanese flag ships exceeded 50%. However, in 1978 the percentage of foreign vessels exceeded that of Japanese-flagged vessels. Thereafter, the ships of Japanese flags continued to decrease, and the rate decreased to less than 10% around the time of the 2000s. Furthermore, it fell to 3 ·.7% in 2008.

 

Looking at the composition of the Japanese merchant fleets, Panama is occupying an overwhelming proportion of 61.3% (1570 vessels) by country and region. Next, with  7.7% of Japan (197 vessels), Liberia 5.9% (152 vessels), Singapore 5.3%(137 vessels), Hong Kong 4.4%(112 vessels) and others (2015).

 

According to the Ship Law of Japan, it is stipulated that each ship in Japan shall have a port of registration at the address of its owner. However, there are cases where a paper company is established in a country such as Panama or Liberia, and the ship is registered there. These vessels are called convenience vessels. The biggest reason for putting a ship’s flag in a foreign country is for tax protection. At the same time, another main objective is to have foreign seamen on board. Japanese ships are obliged to board the crew with the Japanese license, but if it is a foreign nationality ship, this rule is excluded. The shipping company is making such a choice because it is possible to reduce the cost by putting foreign seamen.

 

Increasing the number of convenience vessels brings disadvantages to Japan in terms of tax revenue and employment of Japanese seafarers. It is also pointed out that there are many critical opinions against this practice, which causes such problems as impeding the development of maritime transport in conveniently registered countries. However, in the shipping industry where fierce competition is spreading, the reality is that it is very difficult for a shipping company to own a costly Japanese-flagged ship.

 

What is the meaning to hold Japanese flagged vessels?

 

On the occasion of the Great East Japan Earthquake of 2011, the Japanese shipping industry showed great strength in supporting its reconstruction. The shipping service industry set up a headquarters soon after the earthquake occurred, and started transporting relief goods, etc. In the international shipping industry, the shipowners’ association and Kawasaki Kisen Kaisha, Mitsui OSK Lines, and NYK Line companies cooperated to transport goods from abroad to affected areas.

 

Meanwhile, some overseas shipping companies chose to avoid calling in Japan. Liberia and others issued a recommendation to  navigation in sea areas within a certain distance due to fears of radiation leakage due to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident. A certain shipping company in Germany canceled the call to Keihin port at the direction of its headquarters. Likewise, at the discretion of each shipping company, there were more cases where foreign shipping vessels avoided calling in Japan. Furthermore, there were cases where foreign crew refused to board Japanese ships, or where Japanese vessels were refused entry at foreign ports.

 

These series of events are all attributable to rumors about nuclear power plant accidents. After accurate information was conveyed to the world, such movements ended, but we learned from this lessen that Japan’s emergency situation does not necessarily invite cooperative attitudes from other countries.

 

If a situation such as Japan get caught up in war, that concern will be further raised. It is not an exaggeration to say that in all times  the construction and maintenance of logistics crucially influenced the war victories or defeats worldwide. In modern warfare, the container ships have been responsible as the main force of military goods transport. In other words, it can be said that how much you can secure container ships sways the country’s fate.

 

It is said that the defeat of Japan in the past Pacific War was largely due to the lack of logistics strategy. At that time, the American submarine intensely attacked the transport ships instead of aiming at the Japanese battleships. By doing so, America exhausted Japan’s front line force efficiently without engaging in risky battles. It goes without saying that it is important to make the utmost diplomatic efforts to avoid the war itself. However, considering what will happen if we should go into a major war (I will not say much here) and in order not to repeat the tragic events that once occurred in the islands of the Pacific, it will be indispensable to keep shipping ships for wartime logistics even in the days of peacetime.

 

As I mentioned earlier, today most of the ships that cross the ports of Japan and foreign countries are foreign flags, and the crew members are also dominated by those with foreign nationality. Even without trouble in peacetime, it is very doubtful whether those ships will move for Japan in the event of an unimaginable disaster or in case of an emergency such as war. Regarding concerns about the situation where the Japanese flag ships are extremely few in number, the government has started various initiatives. One of them is the international shipping system introduced in 1996. Ships that are important in securing international maritime transport among Japanese flagged vessels are regarded as international ships and vessels as long as they meet certain requirements. Their requirements include the duty to report their transfer and lending to overseas countries under the supervision of the Japanese government.  For such ships, taxation support measures are taken. We are also reviewing the change procedures (flag back) for making foreign vessels into Japanese-flagged vessels and initiatives to improve them. With these measures, the number of Japanese-flagged vessels began to increase after 2009 and recovered to 7.7% by the year of 2015.

 

The shipping industry companies need to think first of the shipper’s interests. As a prerequisite, it is regarded as a matter of course to pursue the company’s interests in order to survive within the industry. However, it is also important for operators to consider the interests of the people as a top priority at the time of emergency.

 

Also, even if there are no Japanese shipping companies that are responsible for international shipping due to international mergers, etc., Japanese logistics companies need to maintain the power to control the market. In case of emergency, it is essential that such a Japanese logistics companies exist.

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つづく。

次回は、「過当競争の荒波を越えて」というテーマで「適正運賃が荷主の利益を守る」をお話しいたします。

 

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年03月04日

コラム/最適物流の科学㊼

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十七回となる今回は、「激しさを増す競争と集約化の流れ」というテーマで「世界的に進展する海運業界の再編」をお話しいたします。

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世界的に進展する海運業界の再編

 

二〇一七年七月、日本郵船、商船三井、川崎汽船の三社はコンテナ船事業を統合して新会社を設立しました。社名は「オーシャン ネットワーク エクスプレス ホールディングス」。これにより、日本で外航定期航路を持つ船会社は実質一社となりました。新会社の運航コンテナ船は二四三隻、コンテナ積載数換算では約一四四万TEUになり、業界シェアは世界六位となります。

こうした海運業界再編の動きは、日本に限らず世界規模で進行しています。二〇一六年二月、中国遠洋運輸集団(COSCO Group)と中国海運集団(China Shipping Group)が合併し、世界四位の規模となる中国遠洋海運集団(China COSCO Shipping Group)が誕生しました。同年七月には、世界三位のCMA CGM(フランス)がAPL(シンガポール)を買収しました。他にも、最大手のマースク・ライン(Maersk Line、デンマーク)がハンブルク・スード(Hamburg Süd、ドイツ)を、ハパックロイド(Hapag-Lloyd、ドイツ)がUASC(クウェート)を、前述の中国遠洋海運集団がOOCL(香港)を、それぞれが買収する交渉を進めるなど、近年は業界内で大きな動きが相次いでいます。

海運業界では、世界的規模で船会社同士が結びつくアライアンス(同盟)が結成されています。以前は世界一位のマースク・ライン(Maersk Line)と世界二位のMSCによる「2Mアライアンス」、日本郵船や商船三井が加盟していた「G6アライアンス」、川崎汽船などが加盟していた「CKYHEアライアンス」、CMA CGMらによる「OCEANTHREE」といったアライアンスがありました。

近年の合併・買収の動きに伴い、世界の船会社の多くは二〇一七年四月以降、「2Mアライアンス」と「OCEANアライアンス」、そして邦船三社が含まれる「ザ・アライアンス」という三大アライアンスへと集約されました。

目まぐるしく業界再編が進む背景には、海運業界が厳しい不況の波にさらされているという現状があります。これをもたらした一因が、先に述べたコンテナ船の大型化による船腹量の増加です。

輸送効率を上げてコスト削減を追求したことが船腹の供給過剰を招き、それが運賃下落をもたらし、結果として経営を圧迫しています。海運業界は今、こうした悪循環の渦中にあるのです。二〇一六年の韓進海運破綻もその中で起きた出来事でした。

そうした不況の波を乗り越えるため、日本や中国などの大手船会社は、経営規模を拡大して競争力を高めるべく合併という道を選択しました。また船会社同士が世界的規模で提携を深め、業務の効率化を目指そうとする動きの中で、アライアンスは三つに集約されました。

実際、定期航路を構築・運航するには多大なコストが掛かります。各船会社が独自にコスト削減を進めれば競争がより激化し、経営体力の消耗にも繫がります。消耗戦を避けるため、競合する部分を統合して効率化を図るのは合理的な選択だといえるでしょう。また定期航路において、アライアンス内で共同運航を実施し、供給量の調整を図ることも効率アップという点ではやむを得ない決断だといえます。

しかし、こうした動きは必ずしも荷主の利益にはなりません。繰り返しになりますが、合理化によって船の便数が減れば、荷主は不便を強いられます。荷主にとって重要なのは、船の大きさではなく、船の便数の多さです。

寄港頻度が多いに越したことはありません。もちろん、コスト削減によって運賃が安くなるのであれば、それ自体は歓迎すべきことです。しかし、それと引き換えに利便性(寄港頻度)が大きく損なわれる結果はどの荷主も望んでいないでしょう。

競争は業種の垣根を越えて

海運業界で競争が激化しているのは船会社だけではありません。関連業種での競争も年々厳しくなっています。

第三章で見たように、国際物流に携わる事業者は多岐にわたります。実際に船を持つ船会社だけでなく、乙仲、倉庫業者、通関業者など国内物流を得意とする会社や、航空輸送をメインとするエアーフォワーダー、ハードを一切持たないフォワーダーも貨物輸送の委託を受けます。さらに、外資系企業も日本の市場に多く参入してきています。

 

各社のパンフレットやホームページを見ると、本来専門とする事業以外にさまざまな業務に携わっていることがわかります。これらの企業が業種の垣根を越えてさまざまな業務を請け負うようになった背景の一つとして、政府が進める規制緩和があります。たとえば、第二章で貨物利用運送事業法について触れましたが、この中で第一種利用運送事業については、二〇〇三年の規制緩和により、それまでの許可制から登録制に変更されています。この法改正によって、他業種からの新規参入が容易になりました。他の理由として、業務の多角化によって少しでも利益を増やしたいという事業者側の思惑、ワンストップで委託できる会社を利用したいという荷主側の要望の高まりも挙げられます。

事業者間で健全な競争が生まれ、価格やサービス、利便性が向上するのであれば、こうした傾向は望ましいといえるでしょう。しかし実際は、他業種への参入が過当競争を招き、同時に荷主にとっては事業者の違いや特徴がわかりづらくなるというデメリットを生んでいます。従来は各事業者の棲み分けがある程度、明確になっていました。内陸でのトラック輸送は運輸業者、倉庫での貨物管理は倉庫業者、通関業務は通関業者が担い、フォーワーダーがそれらをコーディネートする役割を果たすという形があり、必要に応じて各社が連携してその関係を維持していました。

それが今では激しく競合する関係に変わってきているのです。

最近は流通業界でも、総合スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアなどの垣根がなくなる傾向が見られますが、国際物流業界でも同じような現象が起きているのです。

 

  1. Fiercer competition and integration flow

 

Restructuring of the shipping industry on a global scale.

 

In July 2001, the three major marine transport companies –

Nihon Yusen, Shosen Mitsui and Kawasaki Kisen Kisen – integrated their container ship businesses and established a new company. The company was named is “Ocean Network Express Holdings”. As a result of this integration, the shipping company that has the regular international navigation routes has just become one company in Japan. Container vessels operated by this new company number 243, the number of the container loading equivalent is about 1,440,000 TEUs, and its industry business share is the sixth place in the world. These shipping industry reorganization movements are progressing not only in Japan but on a global scale. In February 2016, the China Ocean Transportation Group (COSCO Group) merged with the China Shipping Group. As a result,  China COSCO Shipping Group, the world’s fourth largest entity, was born. In July of the same year, CMA CGM (France), the world’s third largest, bought APL (Singapore).Besides, Maersk Line (Denmark), the biggest player, acquired Hamburg Süd (Germany),  Hapagloid (Hapag-Lloyd, Germany) acquired UASC (Kuwait) and also the aforementioned China COSCO Shipping Group doing negotiations to acquire OOCL (Hong Kong). Recently there have been major moves one after another in the shipping industry.

 

In the shipping industry, alliances have been formed. As a result, shipping companies are connected with each other on a global scale. In the past, Maersk Line, the world’s No. 1 and No.2 MSC were merged to create the “2MAlliance”, “G6 Alliance” where NYK and Mitsui OSK Lines got affiliated, Kawasaki Kisen united with the “CKYHE Alliance ” and “OCEANTHREE came into existence “by CMA CGM’s merging with others.

 

Along with recent trends in the form of mergers and acquisitions, since April 1997 many of the world’s shipping companies have been consolidated into the three major alliances,  “2 M Alliance”,  “OCEAN Alliance” and “The Alliance” which includes three major Japanese companies.

 

In the background where the industry reorganizations are happening one after another is the current situation that the shipping industry is being exposed to the harsh economic recession. One factor that brought about these consolidations  was an increase in the volume of vessels due to the enlargement of the container ships.

 

Pursuing cost reduction by raising transportation efficiency invites the oversupply of container ships, which results in a decline in freight rates and as a result pressures the management of shipping companies. The shipping industry is now in such a vicious circle. The collapse of the Hanjin Shipping in 2016 occurred in this context.

 

In order to overcome the waves of such recession, major shipping companies of Japan and China have chosen merging to increase the scale of management and enhance competitiveness. Along this line, the idea of creating alliances was promoted, giving birth to the three giants in the world with aims to deepen global partnership and to improve the efficiency of operations.

 

Competition goes beyond industrial barriers

 

In fact, it costs a lot of money to create and operate a regular route. Competition will intensify if each shipping company independently advances cost reduction and it can consume management energies negatively. It may be  a rational choice to integrate competing domains and improve efficiency for the sake of avoiding the consumption of unnecessary management energies. Also, it is an unavoidable strategy to try to improve efficiency within the alliance by jointly operating and also by adjusting the supply volume on a regular route.

 

However, these attempts on the part of the shipping companies do not necessarily benefit shippers. Furthermore, shippers can be inconvenienced if the number of ships is reduced by enlargment and integration. What is important for shippers is not the size of the ship but the number of service or choice.

 

Of course, if the fare becomes cheaper by cost reduction, it is welcomed by shippers. But they do not want the consequences of great loss of convenience (calling frequency). Competition goes beyond industrial barriers.

 

Shipping companies are not alone in fierce competition within the shipping industry. Their competition with related industries is getting harder year by year. As we saw in Chapter 3, there are a wide range of business operators engaged in international logistics. Not only shipping companies that actually possess ships but also, companies specializing in domestic logistics, warehouse traders, customs brokers, air forwarders mainly for air transportation, but also forwarders without any hardware, can be commissioned to handle cargo transportation. In addition, many foreign-affiliated companies have entered many Japanese markets.

 

Looking at the brochure and website of each company, you can see that they are engaged in various fields of business other than their originally specialized realms. One of the reasons why these companies began to undertake various tasks beyond industrial barriers is the deregulation that the government plans. For example,  we referred to the Law Concerning the Freight Utilization Transport Business Law in Chapter 2. With regards to Class 1 Utilization Transport Business, the deregulation in 2003 caused a major change from the previous permission system to the new registration system. This legal amendment made it much easier for new entrants from other industries. Other reasons for this legal change were related to the shipping companies’ desire to increase profit even slightly through the diversification of operations and to the shipper’s increasing desire to use the company that can be entrusted with a one-stop service.

 

Such a trend is preferable if sound competition can be created among business operators and better price, better service and greater convenience are seen there. In fact, however, the entry into other industries invites excessive competition, and at the same time, the shippers experience more disadvantage in discerning the differences and characteristics of business operators. In the past, the responsible realm of each business was clear to a certain extent. Trucking in the inland belonged to the realm of the transport company, cargo management in the warehouse was a warehouse trader’s domain, customs clearance was handled exclusively by the customs broker, and the forwarder played a role of coordinating them. As needed, each company cooperated and maintained the good relationships with other companies.

 

It is now changing into fierce competing relationships. Recently, even in the distribution industry, there is a tendency for the barriers of comprehensive supermarket, drugstore, home center, and convenience store to disappearn.  Similar phenomena are occurring in international logistics industry.

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つづく。

次回は、「日本籍船・日本人船員が激減した背景は」というテーマで「外国籍船が九割以上を占める日本の実情」をお話しいたします。

 

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年02月26日

コラム/最適物流の科学㊻

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十六回となる今回は、「海運業界は時代の大海原をどのように航海すべきか~国の生命線を守れ!」というテーマで「合理化策としての大型化がもたらす影響」をお話しいたします。

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合理化策としての大型化がもたらす影響

 

コンテナ船が大型化すれば、一度に運べる貨物の量は増加します。同時に、船舶の合理化により輸送に必要な燃料費や人件費などの削減が図れ、一コンテナ当たりの輸送コストは下がる計算になります。

結果として、船会社にとっては価格競争力の向上という大きなメリットが得られ、もちろん運賃が下がれば荷主にとってもメリットとなるはずです。一方で、コンテナ船の大型化はさまざまなデメリットを生んでいる実情もあります。

まず挙げられるのがコストに関する問題です。先にメリットとしてコストが下がると書きましたが、これはあくまでもスペースがすべて埋まった状態で運航された場合の話です。スペースに空きが多くある状態であれば、コスト削減は実現できません。

近年、大型コンテナ船の建造が相次いだことなどもあり、現在はコンテナ船のスペースが供給過剰の状態にあります。世界的に荷動きの量が増加傾向にあるとはいえ、それ以上にスペースの供給量が増えているのです。そのため船会社にとっては、いかに空きスペースをつくらずに運航させられるかが大きな課題となっています。

次に挙げられるのが便数の削減です。たとえば、ある航路に従来の二倍の規模の船が投入されたとすると、当然二倍の貨物を運ぶことができるようになります。しかし実際に積む貨物が一気に二倍に増えるわけではありません。そうなると港への寄港頻度が二分の一に減らされるということになります。結果として船の選択肢、スケジュールのフレキシブルさが失われ、荷主に不便が強いられることになります。

もう一つが受け入れ港が限定される点です。大型船が寄港するには、港にそれを受け入れる設備が整っている必要があります。大型船に対応した水深や荷役設備がなければ、入港することはできません。しかし、コンテナ船の大型化が急速に進む一方で、世界的に港の整備が遅れているのが現状です。日本でも、主要港でありながら大型船の寄港ができないところが少なくありません。

先に紹介した商船三井のMOLトライアンフも、日本へは寄港しません。第一章で日本の港の地位低下について述べましたが、港が船の大型化に対応できていない事情も背景にあるのです。

大型船は寄港できる港が限られるため、立ち寄れない地域へ貨物を届けるには、ハブ港(中継拠点となる港)を経由して、フィーダー船と呼ばれる小型のコンテナ船を利用することになります。

アジア航路では韓国の釜山港などがハブ港として利用されますが、そこを経由して日本へ貨物を運ぼうとすれば、当然リードタイムも長くなります。輸出についても同様に、直行便が寄港しなければフィーダー船で一度、ハブ港へ貨物を輸送する必要が生じます。こうした問題を解消するため、日本では現在、国を挙げて港湾整備が進められています。

コンテナ船の大型化は、船会社のコスト削減に寄与したとしても、荷主に必ずしもメリットをもたらすとは限りません。むしろ不利益・不便を強いられる可能性が高いといえるでしょう。

船の大型化は今後も続くと考えられますが、この動きに関係者がどう対応していくかが大きな課題として残っています。

 

Impact of large-scaled container ships as a greater convenience and profitability measure.

 

The amount of cargo that can be carried at a time increases in case container ships become larger. At the same time, it is possible to reduce the fuel or personnel expenses in conjunction with the enlargement of ships. That also reduces the transportation cost per container.

 

As a result, shipping companies can get a greater price competition power. And, of course, shippers will also benefit if transportation fares go down. On the other hand, it is also true that the enlargement of container ships brings about some demerits. The first demerit we can cite is about the cost problem. I mentioned that the decreasing of the cost is advantage. In the above, I mentioned that the larger container ships can enjoy the cost decrease as a merit, but this is only true when all container spaces are filled with cargoes. If a large container ship has many vacant spaces, instead of being filled with cargoes, the cost reduction can not be realized.

 

In recent years, a number of large-sized container ships were built, the container ships overall space availability is currently oversupplied.

The amount of the worldwide cargo movement is on an increasing trend, but the supply of space is increasing even more than that. For this reason, it is a big issue for shipping companies how to operate most effectively with having as little as empty spaces.

 

The next one is to reduce the number of ships in service. For example, if a new container ship that is the twice larger than a conventional container ship was introduced on a certain route, it would theoretically be able to carry twice as many cargoes. However, the volume of the cargoes that that are actually loaded may not double at once. It naturally means that the frequency of calls to the port is reduced to half. As a result, the flexibility of ship choices and schedules will be lost and inconvenience will be imposed on shippers.

 

Another issue is that the accepting port will be limited. In order for a large ship to put in, the port needs to have facilities to accept it. If there is no water depth and load handling equipment corresponding to a large ship, it can not put in at the port. However, while the size of container ships has rapidly increased, It is the current global situation that the maintenance of the port cannot catch up. Among major ports in Japan, large ships still cannot put in at many of them.

 

MOL Triumph of Mitsui O.S.K. Lines introduced earlier also does not put in at Japanese ports. In the first chapter I referred to the decline in the status of Japanese ports. Behind this status decline on the part of Japanese ports lies the fact that they are not responding to the need for the larger-sized ships.

 

Larger vessels are limited to harbors that they can put in at. So in order to deliver cargo to areas where they can’t touch at, we will use a small container ship called a feeder ship via the hub port (harbor as a relay base).

 

In Asian routes, Korea’s Busan Port etc. are being used as a hub port, If you try to carry cargoes to Japan via Busan, the lead time will be naturally longer as a matter of course. For exports as well, if direct ships can not put in, it will be necessary to transport the cargo to the hub port once on a feeder ship. In order to solve these problems in Japan, the nationwide port development projects are currently under way.

 

Even if the upsizing of container ships contributes to cost reduction of shipping companies, it may not necessarily bring merit to shippers. It can be rather said that there may be a high possibility of being for shippers to suffer from disadvantages and inconveniences.

 

The upsizing of the container ship will surely continue in the future, but how the people involved will respond to this dilemma will remain as a big issue.

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つづく。

次回は、「激しさを増す競争と集約化の流れ」というテーマで「世界的に進展する海運業界の再編」をお話しいたします。

 

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ジャパントラスト株式会社 

 

2020年02月19日

コラム/最適物流の科学㊺

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

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そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

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第四十五回となる今回は、「海運業界は時代の大海原をどのように航海すべきか~国の生命線を守れ!」というテーマで「全長四〇〇mの巨大コンテナ船が就航する時代」をお話しいたします。

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全長四〇〇mの巨大コンテナ船が就航する時代

 

国際情勢は現在に至るまで、目まぐるしい変遷を繰り返してきました。世界各国の政情や法制度の変化、経済の動きはもちろん、技術やシステムも次々と新たな段階へと移行し続けています。

海運業界を取り巻く情勢も激変する環境の中にあります。海上輸送に携わる事業者は、未来へ向けての対応が迫られているのです。

それでは海運業界の内部では今、いかなる事態が進行しているのでしょうか。さらに日本社会の将来にはどんな影響をおよぼすのでしょうか。本章ではその実像を大局的に捉えた上で、荷主を含む国際物流に関わる人たちがどのような道を選ぶべきかについて私個人の考えを述べていきたいと思います。

新規の建造船では大型化が顕著に

二〇一七年三月、商船三井は二万TEUを超える大型コンテナ船を竣工しました。韓国の三星(サムスン)重工業で建造されたこの船は、MOLトライアンフ(Triumph)と命名され、同年四月にアジアと北欧州を結ぶ航路に就航しました。コンテナ積載数は二万一七〇TEUで、長さが四〇〇m、幅が五八・八mに達する規模となり、二〇一七年七月の時点では世界最大のコンテナ船です。

一九六八年に就航した日本初のフルコンテナ船「箱根丸」のコンテナ積載数七五二TEUと比較しても、これがいかに巨大であるかがわかるでしょう。一万TEUを超える大型コンテナ船が初めて就航したのが二〇〇六年。それからわずか一一年でその倍にあたる超大型船が登場したわけです。

世界中でコンテナ船の船腹量が年々増加している事実は第一章で確認しました。近年は、ただ船舶の数が増加しているだけでなく、船自体のサイズも大きくなる傾向が顕著です。一九八〇年代に四〇〇〇TEUを超える船が登場し、以後九〇年代半ば頃までは、最大でも五〇〇〇TEU未満の状態が続きました。

しかし、その後急速に大型化が進行していきます。二〇〇〇年代中頃には一万TEUを超えるクラスが登場しました。その流れに追随するかのように、同様の大型船が次々と建造されていきました。

二〇一一年時点で、一万二〇〇〇TEU以上のコンテナ船は三九隻でした。これが二〇一六年には二三九隻にまで増えています。五年間で実に六倍以上です。これよりワンランク下のサイズとなる八〇〇〇TEU以上一万二〇〇〇TEU未満については、伸び率は下がるものの、同様に増加傾向が見られます。

ではそれらより小さいサイズはどうでしょうか。一〇〇〇TEU以上三〇〇〇TEU未満、および一〇〇〇TEU未満の比較的小型のコンテナ船はいずれも数が減少しています。現状の構成比で見ればまだ小型船の方が多くの割合を占めていますが、新たに建造されるものは大型船が多数を占めているのです。

ところでコンテナ船など船舶の大きさを表す際、「パナマックス」という専門用語が使われます。

これは、名前からもわかるようにパナマ運河を通航できる最大船型を意味します。具体的には、長さ約二七四m以内、幅約三二m以内の大きさとなります。

パナマ運河では閘門(こうもん)式、つまり船を仕切られた空間(チャンパー)に通し、水面を上下させることで海抜の異なる水域を移動させる方式を採っています。そのチャンパーに収まる大きさがパナマックスです。コンテナ積載数では約五〇〇〇TEUとなります。これを超えるコンテナ船は「オーバーパナマックス」と呼ばれます。

パナマ運河では二〇〇七年から拡張工事が行なわれ、二〇一六年に完了しました。これにより現在は「新パナマックス」が採用されています。新たな規格は、長さが約三六六m以内、幅は約四九m以内、コンテナ積載数は約一万二〇〇〇TEUです。パナマ運河は全世界の海上貿易量の約三%が通航する重要な航路であることから、その拡張もコンテナ船の大型化に連動して進められてきたのです。

 

This is an era when huge container vessels of 400 meters in length are in service.

 

The international situations have been changing rapidly to this day. Changes in political conditions and legal systems around the world, economic movements, as well as technologies and mechanisms continue to shift to new stages one after another.

 

The situations surrounding the shipping industry are also in an environment that is characterized by drastic changes. Business operators engaged in maritime transport are forced to respond to the future.Then, what kind of changes are under way now within the shipping industry? What will be the impact of the changes happening within the shipping industry on the future of Japanese society? In this chapter, I would like to state my personal opinion as to what kind of choice people concerned with international logistics including shippers should make based on their grasp of the global reality of  the shipping industry.

 

As to newly constructed ships, the size increase is becoming conspicuous.

 

In March 2017, MOL completed a large container ship exceeding 20,000 TEU. This ship built in South Korea’s Samsung Heavy Industry was named MOL Triumph and inaugurated in the route between Asia and Northern Europe in April of the same year. Container loading number is 20170 TEU. The length of the vessel reaches 400 m and the width reaches 58.8 m. It is the world’s largest container ship as of July 2017.

 

You can see how huge this new container is, compared to Japan ‘s first full container ship “Hakone Maru”  whose loading number was 752 TEU.  It was launched in 1968. It was in the year of 2006 that a large-sized container ship exceeding 10,000 TEU went in service for the first time. Then, only in 11 years, a super-large, almost twice as big a ship appeared.

 

We confirmed in the first chapter the fact that the vessel volume of container ships is increasing year by year all over the world. In recent years, not only the number of vessels is increasing, but also the size of the ship itself is noticeably larger. Ships exceeding 4,000 TEU appeared in the 1980s, and until then around the mid1990’s, this state remained with below 5000 TEU at the maximum. However, the size of container ships rapidly became bigger after that time period. Over 10,000 TEU class container ship appeared a few years after 2000. As if following this trend, similar large ships were built one after another.

 

As of 2011, there were 39 vessels with more than 12,000 TEU. Bessels with this capacity of more than 12,000 increased to 239 in 2016. It is actually more than six times increase in five years. The growth rate will decrease but the increase trend can be seen for the construction of a little smaller size vessels. By smaller size, I mean the size of more than 8,000 TEU and less than 12,000 TEU.

 

Then what about further smaller sized containers? The number of relatively small container ships that have over 1000 TEU and less than 3000 TEU. The container ships with less than 1000 TEU have been decreasing. In terms of the current composition, small ships still occupy a large ratio. However, when we talk about newly constructed ships, large ships are majority.

 

By the way, the term “Panamax” is used to describe the size of ships, such as  container ships. This means the largest type of the ships that can pass through the Panama Canal as you can see from the name. Specifically, it is within about 274 meter long and about 32 meter wide.

 

In the Panama Canal, the lock gate style is adopted. This is the way that lets  a ship go through the walled space (chamber) and pass the different sea level by moving the water surface up and down. Panamax is the size to fit in the chamber. Its container loading number is about 5000 TEU. Container ships exceeding this are called “Over Panamax”.

 

At the Panama Canal, expansion work had been undertaken since 2007 and it was completed in 2016. Since that time, “new Panamax” is adopted for now. The new standard is within about 366 meter in length, about 49 meter in width, and the number of containers loaded is about 12000 TEU. Panama Canal is an important route that about 3% of the global marine trade cargo are going through. Therefore, with the enlargement of container ships, the expansion of this canal had been promoted in unison.

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つづく。

次回は、「海運業界は時代の大海原をどのように航海すべきか」というテーマで「合理化策としての大型化がもたらす影響」をお話しいたします。

 

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2020年02月12日

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最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十四回となる今回は、「Coffee Break 3コンテナ船から在来船に切り替えよ」というテーマで「顧客の要望に一〇〇%応える営業マンの奮闘記」をお話しいたします。

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顧客の要望に一〇〇%応える営業マンの奮闘記

 

二〇一四年の夏を過ぎた頃、アメリカ西海岸の港湾で大規模なストライキが発生した。当初は、すぐに収束するだろうという楽観的な見通しが大勢を占めていた。しかし、数日を経過しても事態が鎮静化に向かっているといった情報は、どのルートからも入ってこない。船の遅延や、本船変更といった情報だけが伝わってくる。

「この状態が続いたらまずいかもしれない……」。

物流会社の担当者は焦りを募らせていた。日を追うごとにコンテナ船のスペースが取りづらくなっている現状を目の当たりにしながらも、彼は事態の収束を祈ることしかできなかった。

彼が担当していたのは、大手メーカーの工作機械。オーバーゲージ貨物だ。通常でもオーバーゲージ貨物のスペースを確保するのは容易ではない。そこにストライキの影響が重なれば、コンテナ船に積める可能性は間違いなく低くなる。スト発生からしばらくは、全コンテナ船会社に問い合わせて、普段利用しないトランシップ船を使うなどして何とかスペースを確保することができていた。だが、彼の奮闘にも限界が近づいていた。

「二〇一五年三月に向けて機械の出荷が増加する予定ですので、スペースの確保をお願いします」。

大手メーカーからそんな連絡が入った。出港の期限は三月。貨物の増える年度末だ。この時までに所定の貨物を船積みせねばならない。彼はすぐに出荷リストを確認した。だが、そこには彼の期待を裏切る情報が満載だった。

同じ時期に、一台でフラットコンテナを数本使う大型機械を運ぶ案件が入っていたのだ。しかも、すべて合わせると、フラットコンテナ六〇本にもなるボリュームである。

「こんなときに限って!」。

彼は叫ばずにいられなかった。

焦る気持ちを必死で抑えながら、彼はコンテナ船を手配すべくあらゆる手を尽くした。しかし、まったくスペースが足りない。どうしても積み残しが発生してしまう。そうなると、出港を四月に延期せざるを得ない。しかし現地の港ではストライキが続いている。四月以降は今以上に混み合う可能性があるため、さらにリスクは増す。

「これではお客様のリクエストに応えられない。遅延だけは絶対に避けなければ」。

 

彼は強い使命感を持って、この困難な事態を切り抜ける手段を思案した。そこで導き出した答えが、「在来船」という選択肢だった。早速、彼はその起用を前提に調整に入った。複数の在来船社との交渉を続け、そのうち一社との間で交渉成立の兆しが見えてきた。

「弊社では、普段は名古屋 ― ロサンゼルス間の配船はしておりません。ただ、ミニマムボリューム三〇〇〇㎥あれば、御社が扱う貨物の『専用船』として、在来船を名古屋港へ寄港させることができます」。

彼は二つ返事でこの申し出を受けた。しかし、在来船の利用はコンテナ船のときのようにはいかない。

まず問題となったのが三〇〇〇㎥というミニマムボリュームだ。委託された工作機械をすべて積むと仮定しても数百㎥足りない。何とか三〇〇〇㎥以上にするため、彼は奔走した。

難航が予想されたものの、結果としてこの在来船を押さえた判断は、逆にメリットをもたらした。ちょうどその頃、他の荷主からもオーバーゲージの機械を委託されていたのだ。

この在来船に載せれば、スペースを埋めることができる。さらに他のフォワーダーでスペースを押さえられなかった貨物を弊社で請け負う幸運も舞い込み、期せずして新規の顧客を得た。これでスペースの問題は解決への目処が立った。

とはいえ問題は運賃にもあった。これまでは、オーバーゲージ貨物もコンテナ船で運んでいた。

今回は在来船を使うからといって運賃を大幅に上げることはできない。荷主との関係を第一に考え、今回は多少赤字が出たとしても、コンテナ船のレベルまで運賃を引き下げる方法で何とか対応した。

在来船における貨物の取扱い方も課題となった。いつも使っているコンテナ船とは勝手がまったく違う。

事前に荷主や乙仲業者と密に連絡を取り合い、貨物明細や梱包・通関の手順はもちろん、現地の受け入れ体制も入念に確認した。途中、梱包形態(荷姿)の指示で行き違いが生じたり、全量のスペース確保が不安定になってきたりするという問題も出てきたが、予定通り三月二六日に入港する船に貨物を積み込んだ。

 

ドライコンテナ一本でもスペース確保がきびしいストライキ中に、フラットコンテナ一〇〇本分のオーバーゲージ貨物をこの時期に積み切ったのは奇跡に近かった。当日、彼は本船に乗り込み、すべての機械を積み込んだことを自分の目で確かめた。

「すべて積み切ったぞ!」。

まさに大船に乗ったような気分、とまではいかなかったものの、彼はこれまでにない達成感を味わっていた。

リクエスト通り年度末の三月中に積み込まれた貨物は、二〇億円の売上に相当するものだったこともあり、荷主も彼に大いに感謝した。

顧客からそれまで以上に厚い信頼を得た彼は、オーバーゲージのスペシャリストとして、今も業務に奔走している。

 

Switch from a container ship to a breakbulk vessel

This is a story of a salesperson’s struggle to respond to his customer’s request 100%

 

The strike that occurred in 2014 at Los Angeles Port caused a major stagnation in logistics, prompting us, forwarders, to collect accurate information  and offer it to our customers in a timely manner.

 

Soon after the summer of 2014, a massive strike occurred at a port on the west coast of the United States. Initially, the optimistic observation that it would converge soon was dominant. However, no information came from any routes even a few days after the strike broke out. What was transmitted was the only the limited information such as the delay of the ship and the change of the ship.”Should this condition persist, it may be problematic. .…” The person in charge of the logistics company was irritated. While witnessing that the space of container ships was getting more and more difficult to reserve each day, all he could do was only to pray for the convergence of the situation.

 

What he was handling at that time was the machine tool of a major manufacturer. It is an out of gauge cargo. Even under normal circumstances, it is not easy to secure space for such a huge cargo.  If we take the impact of the strike into account, the possibility of loading the out-of-gauge cargo on a container ship will definitely get lower. For some time after the strike, he contacted all the container shipping companies, managing to secure the space somehow even by using the tranship ship that he would not normally use. But what he could continue to do to save the situation at that time was almost nothing any more.

 

“Because we are going to increase the shipment of machines towards March 2015,  Please secure the space for us.” Such a contact had come in from the major manufacturer. The departure date is March. It’s the fiscal year-end when cargoes increase in general. We must ship the predetermined cargo by that time. He quickly confirmed the shipping list. But what he saw there was almost nothing but the type of information that betrayed his expectations.

 

At the same time, the information included an order of using several flat containers to carry one large machine. Moreover, the whole cargoes’ volume are as large as 60 flat containers.

 

What a great timing!”

Controlling his desperate feelinge, he did everything possible to arrange  container ships. There is not enough space available at all. Inevitably, some cargoes will be left behind. If that should happen, they will have to postpone the transport to April. But the strike is still under way at the local ports. The risk will be greater because the ports will be more crowded after April.

 

“We are now in a situation where we can not respond to the customer’s request We must avoid the shipment delay by all means. “He devised a means to overcome this difficult situation with a strong sense of mission. The choice that was open to him was to use the “conventional ship” option. Instantly, he entered the negotiations along this line. He continued negotiations with several conventional shipping companies, and signs of agreement became visible with one of them.

 

“Our company does not normally ship between Nagoya and Los      Angeles, but if there is a minimum volume of 3,000 m³, we will   transfer a conventional ship to Nagoya port as a” private ship “of the cargoes handled by your company. We can call you.”

He accepted this offer very willingly. However, the use of conventional vessels does not work like that of a container ship.

 

What became an issue at first was the minimum volume of 3 million cubic meters. Even assuming that all the entrusted machine tools are to be loaded, They do not amount to several hundred m3. To somehow make it over 3 million cubic meters, he did everything he could do.

 

His difficult decision to reserve a conventional ship for the large-scaled tool machine’s transport brought a merit because other shippers were also entrusting over-gauge machines luckily just around the time, It meant that if all these over-gauge machines from other shippers are loaded on this traditional shipt, it means that the vacant spaces can be filled up.

If you put it on this traditional ship, you can fill the space. In addition, luck with which our company can undertake the cargo that could not hold down space with other forwarders. In this way, we could unexpectedly get a new customer. In this way, the prospect of the solution of the space issue opened up.

However, the problem was also in the fare. Until then, his OOG cargo was also carried on a container ship.

 

We could not raise the fare significantly even if we use a conventional ship for this case. Putting priority on our relationships with the shipper first, even if somewhat a deficit results this time, we handled it by way of lowering the fare to the level of the container ship.

 

The handling of the cargo on conventional ships also presented a problem. It was a completely different experience compared to using the usual container ship.

 

We closely contacted with the shippers and brokers in advance, carefully confirming the local acceptance system as well as the cargo details and packing and customs procedures. In the process of the transpor, problems such as misunderstandings in terms of instructions of packing form (packing form) and  unstableness in securing the total amount of space did come up, but as scheduled, the cargo was shipped to the ship that enters on March 26th.

 

It was close to a miracle to have loaded the over-gauged cargo over 100 flat containers during the time of the strike where space was secured even with a single dry container. On that day he entered the ship and confirmed with his own eyes that he loaded all the machines. “We have all piled up!” He felt the deepest sense ever of accomplishment.

The cargoes were loaded within March, the end of the fiscal year, as requested by the shipper. They were equivalent to the sales of 2 billion yen, and the shipper was so appreciative of him. Gaining even more trust from his customer, he is fully engaged in his work today too as a renowned over-gauge cargo specialist.

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つづく。

次回は、「海運業界は時代の大海原をどのように航海すべきか」というテーマで「~国の生命線を守れ!」をお話しいたします。

 

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

2020年02月05日

コラム/最適物流の科学㊸

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十三回となる今回は、「第五章 一問一答。海運業への疑問に答えます」というテーマで「~基礎編から応用的な物流依頼まで」をお話しいたします。

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~基礎編から応用的な物流依頼まで

 

ここまで、国際物流業者を選ぶ基準、真価を測る基準について見てきましたが、ここではさらに一歩踏み込んで、実務的な視点から国際物流について解説していきたいと思います。

海上輸送のご依頼をいただく荷主のお客様からはさまざまな点についてご質問をいただきます。

本章では、実際によくお尋ねいただく内容について、国際物流の専門家の立場から回答を示します。

海外へ貨物を輸送するにあたっては、国内における輸送と違い、さまざまな手続きが必要になります。

また同時に、貨物は複数の企業、輸送手段を介して運ばれていきます。そうした事情もあり、わかりづらい、イメージしにくいといった声は少なくありません。そんな声にお応えし、海上輸送の実務についてより具体的に解説していきます。業務に直接は携わらない場合であっても、海運業への理解を深める一助となるでしょう。

ただ、内容がやや専門的になりますので、一般読者の皆さんは読み飛ばしていただいても構いません。

1.海上運賃の算出方法は

Q 海上運賃は、鉄道会社の運賃のように距離によって金額が決まっているのですか?

A 距離が無関係というわけではありませんが、明確な基準にはなっていません。海上運賃は、ほとんどの場合、スペースの需給バランス、あるいはキャリアと荷主の力関係によって決まります。株式市場と同じような構造で、船腹スペースの需給バランスに依拠するため、同じ距離であっても運賃は大きく変動します。

例えば、大量のスペースを求める荷主が多くいる一方で、スペースが少ない状態であった場合、次の日に運賃が二倍になることもあります。逆に、大量に空きスペースが発生する状態が続くと、運賃が十分の一まで下がることもあります(過去に上海-ブラジル航路の運賃が一コンテナ一〇〇〇ドルから一〇〇ドルに下落したケースがあります)。海上運賃は、構造的には株価と同様ですが、その動きは株価よりも激しいといえます。

2.邦船と外船の違う点は

Q 船会社には、邦船と外資系船社があるそうですが、どんなところが違うのでしょうか?

A 邦船すなわち日本の船会社は、日本寄港を優先しており、国内マーケットシェアの半分ぐらいを占めています。海外の各国に日本人スタッフが駐在しており、トラブル時の対応が日本国内同様に手厚いことも特徴です。

外資系船社(外船)は、日本のマーケットを全世界のマーケットを構成する一要素と見ているので、日本に寄港しているからといって、日本を重視しているわけではありません。

そのため、全世界における利益を勘案してスペースを調整したり、サービスを改編する場合が多くなる傾向があります。

3.船会社破綻の影響を回避する方策は

Q 二〇一六年に大手海運会社の韓進海運が破綻するという出来事がありましたが、荷主は船会社破綻の影響を受けないために、どういった方策を取ればよいでしょうか?

A 考えられる一つの方法として、Zスコア(Z-Score)をチェックしておくことが挙げられます。

Zスコアとは、アメリカの経済学者エドワード・アルトマン氏が考案したもので、所定のデータを数式にあてはめることで企業の倒産確率を測定します。スコアが二・九九以上なら「安全」、一・八一~二・九九の間なら「倒産の可能性を否定はできない」、一・八一以下なら「かなり危険」とされます。こうした数値を使って、各船会社の財務状況を報告してくれる事業者を選定するのがよいでしょう。ただし、この数値はあくまでも参考程度のものです。「かなり危険」であるからといって、必ずしも破綻するというわけではありません。

利用する事業者が万が一の際にどこまで責任を負うのか、その輸送責任範囲を事前に確認しておくことも重要です。また船会社と直接契約するのではなく、フォワーダーを介して船を利用してリスクヘッジをするのも一つの方法です。

4.海運業でフォワーダーが果たしている役割は

Q 海運業界において、フォワーダーはどんな役割を果たしているのでしょうか?

A フォワーダーは、荷主企業の物流部としての機能を果たします。海上輸送のプロフェッショナルとして、すべてのキャリアを常に競争させており、北米航路においてもSCを結ぶ必要もなく、その時々の最適輸送を提案できます。またフォワーダーは荷主の代わりに、全船会社とハードな交渉を毎日のように行なっています。他の荷主から依頼された物量と抱き合わせ、大量のボリュームで船会社と交渉するため安い運賃を実現しています。

船会社にとっては、営業のアウトソーシングとなり、空いたスペースを埋めるためのバッファーとして利用できます。

5.フォワーダーはどう探したらよいか

Q フォワーダーを利用しようと思いますが、どうやって探したらよいでしょうか?

A ジャパン プレス社が発行する『SHIPPING GAZETTE(シッピングガゼット)』の電話帳ページや広告、JIFFA(一般社団法人国際フレイトフォワーダーズ協会)ウェブサイトの会員リストのページなどで探すことができます。また今お付き合いされている乙仲などに直接相談してみるのもよいでしょう。

6.フォワーダーの選択基準を教えてほしい

Q フォワーダーは、何を基準にして選べばよいでしょうか?

A フォワーダーの良し悪しを判断する基準としては、たとえば次の九つが挙げられます。

 

1.あらゆる方面の物流情報を提供してくれる。

2.船会社の経営状況に関する情報をいち早くキャッチしている。

3.船会社が破綻しても、最後まで輸送責任を負ってくれる。

4.スペース供給力がある。

5.トラブル時に積極的に解決する能力がある。

6.荷主企業の物流部としての機能を果たしてくれる。

7.すべての船会社とまんべんなく深い関係を構築している。

8.社内外の情報伝達網がしっかり構築されている。

9.委託を受ける輸送分野を得意としている。

7.フォワーダーは大手の方が良いか

Q フォワーダーに海上輸送を委託するとき、航空輸送も請け負っている大手フォワーダーを選ぶほうが安心でしょうか?

A 緊急時に、すぐにエアーに切り替えられる柔軟性を持っているという点では大手の方がメリットがあるといえるでしょう。ただ、事故などが起こった場合は、企業の規模にかかわらず、どの会社もほぼ同じ裏面約款の範囲でしか補償は受けられません(P九三参照)。

8.フォワーダーの利用方法は

Q フォワーダーには物流のすべてを一社に任せた方が、スケールメリットが出るのでしょうか?

A フォワーダーは、会社によって得意航路が異なります。それを見極めた上で、仕向け地や貨物の特性に応じて業者を使い分けるのがよいでしょう。すべてが得意な業者は存在しないでしょう。

9.フォワーダーの利用で掛かるコストについて

Q フォワーダーのような仲介会社が入ると、マージンを取られて高くなるイメージがありますが、実際はどうなんでしょう?

A フォワーダーを通すことで、むしろ安い運賃で利用できることがあります。家電でも、メーカーから直接購入するより大手家電量販店で購入した方が安く手に入れることができます。

これと同様に、フォワーダーは一荷主が一社ではとうていBookingできない大量の荷物を武器に船会社からスペースを安値で仕入れるので、荷主に対しても安く提供できるのです。

10.LCLの委託先について

Q LCLは、どんなフォワーダーでも受けてくれるのでしょうか?

A LCLは、混載サービスをメインとしている業者、つまり自前で混載のコンテナを仕立てているフォワーダーに頼むべきでしょう。その方が融通が利きやすいと同時に、安い運賃で利用することができます。

11.国際複合一貫輸送の見積り依頼について

Q 国際複合一貫輸送で貨物を送る場合、国内輸送と海上輸送の業者を別に使う場合と一社に全輸送モードを任せる場合ではどちらが安いですか?

A これはそれぞれに一長一短があります。選定する業者にとってその輸送モードが得意分野なのか、不得意分野なのかによって変わるため、一概にはいえません。一般的には、輸送モードごとに本業としている業者へ分けて発注する方がコストは安くなります。そこまで選別する手間をかける余裕がない場合は、時間の節約や責任範囲を一本化するためにも、一社に一貫輸送を任せた方がいいでしょう。

その際、海上運賃が一番値差が出る部分なので海上輸送をメインとしている純粋NVOCCが安くなる傾向があります。

12.海上運送のみ別の会社に頼めるか

Q 現在、ある乙仲に一貫作業で貨物の輸送をお願いしています。窓口が一本化できて非常に便利に利用させてもらっていますが、先日、ある業者から海上運賃だけの安い見積りをもらいました。

この場合、どうすればよいでしょうか?

A 安い見積りを出した業者から、一貫輸送の場合の見積りも取ってみてください。もしくは、現在利用している乙仲に、海上輸送のみ別の業者を使いたいと伝え、そこにブッキングしてもらい、海上運賃を建て替えてもらうという方法もあります。この場合、窓口はこれまで通り乙仲に一本化することができます。

13.北米航路におけるサービス・コントラクト(SC)が運賃に与える影響

Q 北米航路においては、船会社と貨物輸送の定期契約を結ぶと、スペースが確保しやすく運賃も安くなると聞きましたが、実際はどうなんでしょうか?

A 荷主が船会社に対して一定期間、積荷保証をすることによって割引運賃を提供してもらうという契約のことをSCといいます。

この契約で決められた、最低船積みコンテナ本数(MQC)までであれば、固定した運賃でスペースを確保してもらえます。一〇〇〇本を超えるような相当数のボリュームをMQCで保証できれば、比較的有利な条件が引き出せるでしょう。

※サービス・コントラクト(SC:Service Contract)とは、荷主が一定期間に船会社やアライアンス(同盟)に対して一定数量以上の貨物を積むことを事前に約束し、船会社やアライアンスは必要なスペースを優先的に確保すると同時に一般の荷主よりも安い運賃で貨物を運ぶことを確約する契約を指します。この制度は、一九八四年米国海運法によって導入されました。なお、荷主が船会社や同盟に対して約束した最低船積みコンテナ本数のことをMQC(Minimum Quantity Commitment)といいます。

14.MQCを増やすメリットとは

Q MQCを増やすことで、どのくらい運賃が変わるのでしょうか?

A 数十本程度では、ほとんど運賃は変わりません。MQC一〇〇〇本以上の単位でSCを結べば、それなりにメリットがあるといえます。

15.SCのデメリットはどんな点か

Q SCにはどんなデメリットがありますか?

A まず、MQCを消化できなかった場合にペナルティの発生する可能性があります。逆にMQCを超えてしまった場合、スペースに余裕がない時期だとスペース供給を制限されるケースがあります。また、契約期間中に運賃マーケットレートが下がった場合、SC契約をした時点の高いレートがそのまま適用され続ける点もデメリットといえるでしょう。

また、特定の船会社とSCを結ぶと他の船会社との繫がりがなくなるため、万が一SCを結んでいる船会社のサービスが改編あるいは中止になったときは、契約期間中であっても新たに他の船会社を探さなければならなくなります。なお、フォワーダーとはSCを結ぶ必要がありません。

16.年間ビッド(入札)は得か損か

Q 年間ビッドによって最安値を取ることはできますか?

A ここ数年間の傾向を見た限りでは、年間ビッドで最安値を取るのは困難だといえます。

年間を通して見た場合、値下がりしたときに実勢価格より高い価格で積み続けねばならず、結果的に損をしているケースが多くありました。

 

Questions and answers. I’ll answer the questions of the shipping industry. Questions range from fundamentals to practical logistics requests.

 

I have been discussing the standard for selecting international distributors and measuring their real value, I will take one step further here and I would like to explain international logistics from practical points of view.

 

We receive various questions from the shippers who are our customers of maritime transport.

 

In this chapter, we will give our answers to a number of practical questions as from the viewpoint of the experts of the international logistics.

 

In transporting cargoes to oversea countries, unlike domestic transportation, various additional procedures are required to follow.

 

The cargoes are carried to foreign countries through several companies and transportation means, which often cause our customers to often comment that the international logistics is difficult to understand and envision. I will explain the practical affairs of the maritime transport concretely in response to such voices, Even if you do not engage directly in the business of the international logistics, what I will share will help deepen your understanding of the shipping industry.

 

Since the contents of my explanations belong to the somewhat professional realms,  general readers may want to skip reading the following parts.

 

  1. How to calculate the ocean freight fare

  Is the ocean freight fare determined by the distance like the fare of a railroad company?

A  Distance is of course a key factor, but it is not a clear standard. In most cases, the ocean freight rate is determined by the supply / demand balance of the space, or the power relationship between carriers and shippers. Depending on the supply-demand balance of the ship’s space, the fare fluctuates greatly even at the same distance.  This fare fluctuation has the same structure as the stock market, For example, while there are many shippers who request a lot of space, the fare may be doubled in the following day if there is little space available. Conversely, if the situation in which a large amount of empty space is generated arises continuously, the fare may drop down even to one tenth.(In the past, there was the case where the fare for the Shanghai – Brazil route fell from $ 1 000 per container to $ 100.) The ocean freight is structurally similar to the stock price, but its fluctuation may be more intense than the stock price.

 

2.What are differences between Japanese ship and foreign ship?

   Some shipping companies are Japanese while others are foreign. What are their differences?

   A Japanese ship, that is, a Japanese shipping company gives priority to port of call to Japan and accounts for about half of the domestic market share. Japanese staff reside in each country overseas, Characteristically,  trouble-shooting is as great as in Japan. Because of foreign-owned shipping companies (foreign ships) see the Japanese market only as an element of the huge world market, they do not necessarily put importance on Japan just even if they adopt port of call to Japan. Therefore, when it comes to the foreign ships, there are many tendencies to adjust their space taking into account the benefits of the whole world and reorganize their service for other countries.

 

3.How can the impact of a shipping companys collapse be avoided?

   There was an incident that a Korean major shipping company Hanjin Shipping collapsed in 2006. What kind of measures should be taken in advance by a shipper to avoid the negative impact of  the collapse of a shipping company?

   One way is to check the Z score (Z – Score). The Z score was invented by American economist Edward Altman to measure the probability of the bankruptcy of a company by applying the prescribed data to a mathematical equation. “Safe” if the score is more than 2.99, If it is between 1.81 and 2.99, “The possibility of bankruptcy can not be denied”, And if a company’s Z score is less than 1.81, and it is regarded as “pretty dangerous”. It does not necessarily mean this low Z score company will surely go bankrupt.  It is a good idea to select the business operator that, using these figures, reports the financial situation of each shipping company. However, these numerical figures are just for reference . It is also important to confirm the extent of the responsibility for transportation beforehand which the business operator  assumes in case of emergency. Also, instead of contracting directly with the shipping company, it is one way to hedge the risk using a ship via a forwarder.

 

4.The role forwarders play in the shipping industry?

What is the role  the forwarder plays in the shipping industry?

Forwarders fulfill their duty as the logistics department of the shipper. As  maritime transport professionals, they constantly compare all shipping carriers. They do not need to contract SC in the North American route, Moreover, they are able to propose the best transportation way of the time. In addition, forwarders do daily hard negotiations with all shipping companies on behalf of shippers. They can realize the cheaper fare through negotiations with shipping companies. They can do so as they collecting a large volume of cargoes from numerous shippers. Forwarders can function for the outsourcing of the sales of the shipping company, They can also function as buffers to fill up vacant space.

 

5.How to find forwarders

I’d like to use forwarders, but how can I find them?

You can find them on the phone book page or advertisement of SHIPPING GAZETTE issued by Japan Press, or the members list page of JIFFA (Japan International Freight Forwarders Association Inc.) website. It also would be nice to consult directly with the shipping brokers. who you are currently associated with.

 

6.Let me know the criteria for selecting forwarders

What criteria should we base ourselves on to choose forwarders?

As criteria for judging which forwarders are suitable or not, for example, the following nine criteria are recomendable.

1.They can provide any type of logistics information.

2.They can get information on the shipping company’s business situation most quickly.

3.They will take responsibility for transportation to the end even if the shipping company should collapse,

4.They have the power to supply enough spaces.

5.They have the ability to actively shoot trouble.

6.They can fulfill the so-called function as the logistics department of the shipper.

7.They have been building close relationships evenly with all the shipping companies.

8.The have the well-establishded internal and external information communication networks.

9.They are well versed in the transportation field they will be entrusted with.

 

7.Is a major forwarder better?

In requesting marine transportation to a forwarder, would it be better to choose a major forwarder that can handle air transportation as well?

It can be said that major companies are advantageous in that they have the flexibility to switch to air transportation immediately in emergency. Of course, the accident compensation can only be received within the scope of the back side contract regardless of the size of the company (see p. 93).

 

8.How to use forwarders.

Would it be better to leave all of the logistics to one forwarder in terms of scale merit?

Each forwarder has the different route that they are good at. Based upon this knowledge, it would be good to choose a proper company as your forwarder according to the destination or the characteristics of your cargoes. 

No forwarders are perfectly good at everything.

 

9.On the cost of using a forwarder.

I imagine it will cost more if I use a broker company like a forwarder, What about it actually?

The fare could be cheaper by using a forwarder. For example, you can get an household appliance from a major home appliance store at a cheaper price than getting it directly from its its manufacturer. Likewise, forwarders can buy spaces cheaply for a large volume of cargoes. For this reason, they can offer cheaper fares by using that advantage, than the rate that one shipper cannot usually obtain.

 

10.About contractors of LCL

Does any forwarder accept the LCL cargo?

The LCL cargo should look for the company that primarily offers a mixed cargo container service, that is, the forwarder arranging one container mixed with the cargoes from many different customers. This type of forwarder is more flexible and also can provide cheaper fares.

 

  1. On the search dependence of the international complex integrated transport

Q In sending a cargo in the International Multimodal Integrated Transport, which of the following methods will be cheaper,  either using domestic and maritime carriers separately or for leasing all transport modes to one company?

There is no clear-cut answer to this question. Each method has both merits and demerits. In general if the selected company is good at the particular transport modes, costs are cheaper to order by using this company. If you can not afford the time and effort to sort, it would be better if you want to leave the integrated transportation to the company to save time and unify responsibility. In that case, the pure NVOCC, which is mainly based on maritime transport, tends to provide a lower rate because the marine fare is where a major price difference gets visible.

 

  1. Is it possible to ask another company to handle just maritime transport?

Q Currently, we are requesting a certain cargo to be transported in a uniform operation. Negotiations are unified and done very conveniently, but the other day, I got a cheaper estimate of the “marine fare only” from another dealer. In such a case, what should I do?

A Please take a quote from the trader who brought the cheapest estimate of the integrated transportation as well. Or you can tell the owner you currently use that you want to use another vendor for maritime transport only, and have them booked there and rebuild the sea fare. In this case, the window can be unified with the shipping broker as before.

 

  1. Influence of service contract (SC) on freight on North American routes

Q I heard that it is easier to secure enough spaces and obtain a lower fare if you make a regular contract with the shipping company on the North American shipping route, but how is it actually?

A SC is the contract that the shipper receives a discount fare from the shipping company in exchange by guaranteeing the shipment for a  certain time period. If it is up to the minimum number of shipping containers (MQC) decided by this contract, you can secure space with a fixed fare. If you can guarantee a considerable number of volumes exceeding one thousand in MQC, relatively favorable conditions will be drawn out.

*Service Contract (SC) is a contract that the the shipper promises in advance a certain amount of cargo for shipping companies and alliances (alliance) for a certain time period, the shipping companies and alliances secure enough space for this shipper, while committed to carry this shipper’s cargoes at a cheaper fare than general shippers’ rate. This system was introduced by the US Marine Transport Law of 1984. In addition, the minimum number of shipping containers promised by shippers to shipping companies and alliances is called MQC (Minimum Quantity Commitment).

 

  1. What are the merits of increasing MQC

Q How much does the fare change by increasing MQC? With a few dozen increase, the fare is almost unchanged. It can be said that there will be a certain merit if you connect an SC with MQC 1000 or more units.

 

  1. What are the disadvantages of SC

Q Are there any disadvantages in SC?

A First, if you can not digest MQC, there will be a possibility of penalty against you. Conversely, if you exceed MQC, there can be a case that the space supply will be restricted if there is no room available in the space. Also, if the fare market rate declines during the contract period, it is also a disadvantage that the high rate at the time of SC contract is continuously applied. Also, if you connect the SC with a specific shipping company, it means that you have no contact with other shipping companies. So if the service of the shipping company should be reorganized or canceled even under the SC, it will become necessary for you to search for another shipping company even during the contract period. There is no need for you to connect the SC with the forwarder.

 

  1. Is the annual bid (bid) beneficial or not?

Q Can I get the lowest price by the annual bid?

A  It seems difficult to take the lowest price in the yearly bid based on the trend of the past few years. When viewed throughout the year, When prices went down, they had to keep piling up at higher prices than actual prices due to their commitment to the annual bid, and therefore, in many cases they were losing in the one-year-long ranged calculation.

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つづく。

次回は、「Coffee Break 3コンテナ船から在来船に切り替えよ」というテーマで「顧客の要望に一〇〇%応える営業マンの奮闘記」をお話しいたします。

 

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 

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